JPの収益向上のために

最近、海外からの郵便物で正規の通関をした物には必ず案内が付いてきます。

「国際郵便物に係る通関業務の有料化について」です。別紙の案内をご覧ください。一般の方の場合、海外でのオークションの落札品が有っても、税関からの連絡は殆どないと思います。そのルールは、20万円が基準で、それ未満なら簡易通関で、税関の判断で通関をやってくれています。何時からかは忘れたのですが、20万円以上の輸出入には、申告通関の手続きが必要になっているのです。郵便でもクーリエでも、例外は無いはずです。過少申告なら別ですが。

切手類の輸出入に絞って書いていきます。通関手続きにはHSコードが必須なのですが、郵便切手の場合、一般的には97.04です。本邦に於いて有価証券として効力を有する物は49.07ですが、実務上は区別の必要はありません。97類は関税は無税・消費税が8%掛かります。但し、関税定率法の規定=14.10で、本邦で生産された物を再輸入する場合は、消費税は免税になります。その際、証明を求められるのですが、長くなるので今回は割愛します。結論とすれば、日本切手の輸入には、関税も消費税も掛かりません。今までは、これでケリでした。FedEXやDHL、TNTなどのクーリエは、馬鹿みたいなエビデンスを求めるし、税関も担当者の当たりが悪ければ、交渉にエネルギーを使うことも有るのです。でも、関税定率法施行令16条まで含めて、根拠法令を押さえておけば、負けることは有りません。特に、JP=日本郵便、私の場合は関空の大阪外郵か、川崎東の横浜外郵なら、名前を出せば、くどい説明抜きで、払う・払わないの決定までスムースにやれていたのです。弊社の場合は、消費税が本則課税なので、免税でも課税でも、金銭的には全く同じなのですから、数千枚のアキュムレーションに、中国切手が1枚でも有れば、消費税を丸ごと掛けてよみたいなこともやるのです。それでも損得はゼロなのです。手続きの簡便さ故に、徹底してFedEXを拒否して、JPのEMSかエアーパーセルをリクエストして来ました。

でも、今回の通達で、がらりと変わることになるのです。20万超の輸出入=申告通関には、安くない費用が掛かります。コールセンターに聞いたら、民間企業体のJPの収益改善が目的であり、今までは余りにもサービスをし過ぎていたとの返事でした。因みに、FedEXとかは、通関手数料は運賃に含まれていて、今後も変わらないとのことでしょう。スピードやサービスはJPよりはFedExが上、それでも弊社の場合は、通関時のストレスを秤にかけて、JPを選んできていたのです。料金表の品目数というのは、HSコードの番号です。ロット数やパッケージの数では有りません。1回の輸入では複数口でもHSは97類だけなので、6600円です。でも、今までがゼロであることが頭に有れば、安くはないのです。

ポイントを絞りましょう。払うか否かは、金額の20万円がミソなのです。弊社の場合は、保険の関係も有るし、消費税は考慮せずなので、フルのデクレア=申告をやっていました。今後はちょっと考慮が必要かも。特に輸出に該当する場合は、分割発送も必要でしょう。1個の郵便物の金額が、20万円未満なら手数料はゼロなのですから。関係しそうな方、聞いてくれれば知っていることは教えます。

201607301