fin? To be continued?
12月7-8日の弊社のオークションの際に、数人から声を掛かられました。ヤフオクに鑑定書付でかつお釣りのシートと、銘10、久米島の田型が出てる、最低値1円スタート・・、買い値からしてなんじゃ、ムジャ、ムジャ・・でした。弊社はヤフオクではストアなのでビッドは厳禁です。ちょっかいは出せないのですが、取りあえずでウオッチに入れました。オープンになっている情報で、必要十分に状況が把握できました。インパクトが強かったのは、かつお釣り無目打のシートです。鑑定書はどう見ても本物です。日付も完全に私の記憶と一致しています。郵趣サービス社がシートで入手して分割した物で、元は保家茂さんの遺品で有名な名品で有る事が判りました。鑑定書の日付は2005年1月22日、署名はマスキングされていましたが、天野安治氏です。販売時のデータでは、売値は単片で@135,000円、銘10は250万です。一部カッター?での裁断の際にミスって不良品になったと聞きましたが、物自体は完売だったと思います。郵趣サービス社のビジネスポリシーは、現則として原価の倍付けなので、買い値は700万かなみたいな話をした覚えが有ります。社運を賭けた大勝負、見事な大勝利に終わったのです。銘10の鑑定書の日付は2005年2月19日です。2点共に依頼者は郵趣サービス社、鑑定署名者は天野安治氏、なんの矛盾も有りません。まず最初に100面シートで鑑定書の交付を受け、小売りの際に全品に個々の鑑定書を取得したのです。目打有りシートの分割では保証書付きと、何にも無しがほぼイーブンなのですが、無目打の方は100%鑑定書が付いています。普通は無くさないのでその後のディールは皆鑑定書付で為されている筈です。重要な情報を教えましょう。無目打分で、銘10に別の組織の真正の鑑定書付が存在します。最初は東海地方から、次は東京から、異なる方が弊社に出品してきました。ハッキリしているのは、何れも透かしが有った事です。署名者の名前は書きませんが、透かし入りの本物は無いと思います。透かし無の本物で市場に有るのは1点だけでしょう。
ヤフオク!をアナライズして見ます。出品者の評価数は2000強だし、変な評価も有りません。扱っている物は、日本と中国の切手だけだと思われます。ごく単純に分析すれば、切手専門で無い買い取り屋さんの切手販売部門かなと思います。失礼ながら郵趣品への知識は皆無です。安く買って、最低値1円で出して、トータルで利が出ればそれでOKみたいなビジネスモデルに見えるのです。ここまで書いて来た事も、この後に書くことも、推測なのですが滑らかに書けるのです。久米島は、既に書いた通り、弊社で売ったシートの分割です。買ったディーラーさんが、フランクリン・ミント社にシートの状態で売って、F社が茶色の豪華ホルダーに仰々しい解説書を添えて、随分と良い値段で分割したのでしょう。ちょっとした嫌味を言うならば、Pos8=1字ズレの定変をどう扱ったか聞いて見たい気がするのです。F社にそのセンスは無いでしょう。ここがやった仕事なら、数十万の利鞘でなく、100万単位で抜いているはず、第1コーナー田型なら一体いくらで売ったのかな。かつお釣りの無目打銘10のコレクターさんの買値はキッチリ250万です。さぞやビックコレクター・・いや我々が存じ上げている人では無いと思います。少し読み過ぎだけれど、同じ時期に同じ出品者が出していた、琉球の米価暫定シートの完揃いも同じルートの物かなと思うのです。他にも一杯有ったりして・・。今回のヤフオク出品者さんの素性は全く不明ですが、切手などはほんのオマケみたいな大きい商売をされている組織の一部かも知れません。
最低値1円スタートはOKです。不自然では有りません。本来は久米島田型もかつお釣り銘10も、それなりの相場で落ちていた筈です。チョンボを2つしています。余計な事をやって、あたらチャンスの芽を自ら摘んでしまったのです。小チョンボは、鑑定者の名前にマスキングした事です。個人情報保護の観点でやったのでしょうが、このケースでの署名者の名前は公扱いで良いのです。隠すことに依り、競りの参加者に胡散臭い事を糊塗していると推測されてしまうのです。大珍品が3点、普通なら絶対に出てこない物が唐突に出現、誰もが買い気より疑念に捉われてしまうのです。そして大チョンボは100面シートの鑑定書を売りに出したこと。出品者の無知をさらけ出している愚挙ですよ。悪意は無かったと思います。単に知らなかっただけでしょう。知識が無いから真偽が判りません・・は本当だと思います。でも、買う人にすれば、無目打の100面シートは有り得ない、それが権威ある鑑定書付で出て来ている、これには当然手は出さない、ならば他の2点はどうなんだろう。鑑定書が付いていても、良からぬ悪事が潜んでいるやも知れない・・と読むのです。100面シートの鑑定書は、郵趣サービス社のサービス精神の現れです。商売のテクニックで採ったけれど使い道が無いのです。だったら最上顧客の銘10の250万さんに進呈しようという事でしょう。序でに100面シートの表・裏のカラーコピーを付けてです。最初に貰った人も、これに関しては何らの意志表示をしていません。ヤフオクへの出品者も単なる紙っぺらのつもりだったと思います。でも、鑑定書付の本物の100面シートと思い込んで当初55万で落とした人、さぞやショックだったでしょう。取り消したのは結構ですが、再出品はいただけません。ヤフオクに於いても、その意図は無くても無知は罪なのです。今回のディールで、シートの鑑定書のヘンテコな出品が無かったなら、銘10の落札値はガラリと変わっていたと思います。幾らで落ちたかは言わぬが花としておきます。多分、久米島田型にも影響を与えているのです。今のヤフオク、氾濫している手彫の偽物だけでなく、怖い物が一杯なのです。逆に言えば、適格に判断できる人にとっては、美味しい狩場でも有るのです。鉄火場だけれど、銘10に関しては、当たりが見えてるスクラッチを見事に射止めた人が一人は居たことは確かです。
これにて、今回のお話はfin・・、いや、もしかしてTo be continuedだったりして。イントロで使った久米島のシートのコピー他は、オークションの出品に際して20~30人が申し込んでくれました。そして今回も5名程からご注文が有ったのです。ここの情報だけでの反響なので凄いと思います。だから、かつお釣りの銘10が弊社のオークションの出たならばどんな結果になるか、夢を見てみたい気分なのですよ。