月別アーカイブ: 2月 2025

E-メールビッドの確認のお願い

第136回フロアセールのメールビッドの締め切りは、明日2月21日(金)正午です。15時頃にはスタート値をUp出来る予定です。直近の傾向ですが、メールビッドの手段として、郵便・Fax・E-メールが各々3~4割ずつになって来ています。特に気になっているのがE-メールの不着です。送ったにもかかわらず当方に届いていないケースが散見されています。この場合、当方では気づくことが出来ません。スタート値をご覧になって、ビッドが反映されていない場合は勿論ですが、20日18時までにE-メールでビッドしたにもかかわらず、当方から確認のメールが届いていない方はご連絡ください。現在までに頂いたメールへの受領のお知らせは、当方で確認できている物に対しては100%完了しております。今回のセールに於きましては、Re.で返信した物で当方に戻って来た物は皆無です。ご確認頂ければ幸いです。

課税の日付と精通者評価価格

2023年12月の3度目の出品の日付がちょっと微妙だったのです。セールの当日はご健在、精算日前にご逝去でした。税理士さんと調整して、発生主義を取り入れて、セール当日を故人の取引に組み込みました。残りの3回分は、相続税の確定申告のタイムリミットを意識しました。こちらの扱いは、故人の申告義務からは外れるのですが、実際に金銭が動いたので何らかの手続きが要るのです。セールの日付が相続税申告に間に合う物は、数字がFix出来るので支払額を被相続財産に合算します。項目は現金です。譲渡所得なので申告義務も有るのですが、故人は既に申告できまないので相続人に引き継がれます。このケースでは、1点で30万超の物が無かったので申告は不要でした。残った物に関しては、再出品の原稿が仕上がっている物はその金額を用いました。未整理分は、私が評価して項目ごとに一覧表を作りました。所謂、精通者評価価格一覧表です。主導権を取ったのが、私なのか税理士さんなのか分からないのですが、オークショニアとしてお客さんに交付した書類で事足りるのです。税理士さんは、終わった物は勿論ですが、それ以外の物のデータも添付書類として税務署に出したと言ってました。

私にすれば仕事の一環として何時ものリズムでやっただけなのですが、税理士さん的にはちょっとビックリだったかも知れません。切手コレクションの扱いに苦慮していていると言われてました。譲渡所得の申告に於ける原価の証明をエビデンス付きでやるというのは普通は無理な作業なのです。今回は楽だったのですが、過去の取引でデータの証明が難しくても私なら目一杯手品を使います。同種の物の取引実績を並べるのです。税務署さんは結構話を聞いてくれるのです。今回は偶々運が良かったのでしょうが、あと数年すればAIを使ってオークションでの流通のデータ収集などちょろい話しになっているかと思います。ご遺族からメールを頂いたのですが、私と水口(清音)さんに費用を支払いたいとのお問い合わせでした。私は、税務申告のお手伝いもオークション業務の一環だから無料だし、水口さんも友情の証としてのお手伝いなので受け取る訳はないのです。

準確定申告

ある人を介しての突然のお申し入れでした。ご本人は体調が思わしくなく、入退院を繰り返していたと思います。見覚えの有る筆跡で太いマジックで書かれたメモ付きでした。自分の切手のコレクションをオークションで処分して、代金は同居している唯一の親族の銀行口座に振り込んで欲しいという趣旨でした。直近まで正に、その分野に於いては数社のオークションでの最後の買い手みたいな勢いで買い漁っていたように見えていたので、随分とふんぎった風に見えました。程無くして出品物を受け取ったのですが、予想を上回る揃いっぷりでした。サラリーマンとしての勤めを終えてからご自分の体調を自己判断して、長年の積もり積もった収集欲を一気に解き放ったやに見えました。闇雲に手を出すのでなく、絞ったテーマの内の特定の要件を充たす物に狙いすまして矢を放つのです。ピンポイントの狙い撃ちなので、このタイミングでは彼に勝てる人は最早居なかったと思います。

問わず語りなのですが、依頼主のお気持ちは分かっていました。資産の現金化もそうですが、人生を掛けたコレクションがマーケットでどう評価されたかの結果を知りたかったのでしょう。セールがスタートした時点でもご自宅と病院を出たり入ったりだったと思いますが、本当の状況は聞けていませんし、無理に急がずとも数年は時間が有るかなと思っていたのです。オークシニアは人の時間を差配は出来ません。だから他の方のそれと同じような流れで編集に入ったのです。スタートは2023年8月のセール、当然の如く目玉は11月のJAPEXセールに持って来ました。あとはゆっくり、で止む無しでしょう。記録を辿れば、既に6回のセールで売っています。そして今も継続中・・・。送金先は当初からご希望通りに親族の方の口座でしたが、出品者としての登録は最初の2回はご本人、目玉のJAPEXセールの結果はお手元に届いたはずです。12月に逝去のご連絡を受けて3度目から変更したのです。早すぎたか、やっぱりな、かは分かりませんが驚きは感じませんでした。オークショニアとしてやるべき作業に入ったのです。コレクションは既に手元に来ています。スケジュールは動き出しているのです。それなりの金額の売上になるのです。売ることは勿論ですが、私のポリシーとして、税務手続きも含めてご依頼人に出来る限り多くの果実を残したいのです。私が持っている知識と情報で判断して、正々堂々と手続きをして無税で相続人さんが引き継げると読みました。

切手コレクションの売却です。ご本人は直近で亡くなっています。居住していたマンションは同居のご親族に引き継がれるはずです。小規模宅地等の特例を使うので、必然的に相続の申告が必要になります。税理士さんを使う可能性も有るし、税務署に相談に行くやも知れません。資産の大部分は趣味の郵便切手かと思います。オークションで売って、代金は想定される相続人さんの口座に振り込んでいます。確定している事実を前提にして動かないといけません。このケースは余りないのです。申告義務者が知識を持って無いと怖いのです。そして税理士さんは経験したことが無い筈です。所得原価の計算式で、表面上のルールに捉われて、思い込みで変な計算をされれば酷い事になるのです。だから、余計な事ですが相続人さんにメモを送りました。私は今までも何度か書いて来ていますが、一番まとまっているのが昨年の【さくらカタログ】の広告です。これをもし税理士さんを使うのなら、是非読んで貰うようにアドバイスしたのです。依頼した税理士さんは矢鱈とプライドの高い飛び込みや紹介でなく、被相続人のお友達だったのです。即、連絡をくれました。率直に言って、真面目過ぎるタイプですが、理詰めで説明すれば分かってくれると読みました。

相続本体に関しては、私は口を挟みません。お手伝いは切手の処分に限定です。要素的にはちょっと複雑なのです。被相続人ご健在時の売却が2回、2023年8月と11月、ご逝去が同12月なので相続税の申告のタイムリミットが2024年10月になります。このケースでは逝去後の4か月以内に【準確定申告】をせねばいけません。2023年の所得を本人名義でやるのです。リタイアしたサラリーマンならやらずに済むと思うのですが、JAPEXセールで結構な数字の売上になっています。伝票上は被相続人の売上ですが、資金は相続人の銀行口座に入っています。目立つ数字です。この説明がいるのです。こうなると私の出番になるのです。売上自体は被相続人の相続資産に合算されますが、その種別は【現金】としてです。不動産・有価証券等と合計して、相続税の基礎控除(配偶者無しで相続人1名の)3600万を超えた分に課税されます。この計算式には紛れは生じません。同時に、所有者=故人の【準確定申告】に於いて、譲渡所得の申告義務も生じるのです。私から見れば、簡単だし、何の心配も要りませんでぶった切るのですが、税理士さんは真面目に悩んでしまいます。口座に入っている金額に目が行くのです。譲渡所得ですが、不動産とは別個の物です。書画骨董扱いです。課税要因は利益が出ている事が必須です。一般のコレクターではレアケースです。さらに個別の条件で一点又は一組で30万以下の物は生活用資産と見なされて、無条件で課税対象外になるのです。言葉を変えれば、オークションの支払明細書を見て、手数料を差し引いて30万を超えた物だけが課税される可能性が残るのです。これに大前提として、利益が出ている物という条件が追加されます。売って受け取った金額から買った時の原価を差し引くのです。赤字ならそのロットは無罪放免です。ご本人が健在なら、ある程度は説明できると思います。コレクターが収集目的に人と競ってオークションで買って、それを時を経ずにご自分抜きでオークションで売って、往復の手数料を払って利鞘を得るのは極めて困難なのです。理屈でも、実態でもそうなのですが、それを第三者に証明せねばならないのです。真面目な税理士さんのご希望の趣旨は容易に知れました。やりきる自信も有りました。

確か二桁超が30万円以上のハンマーでした。購入先は弊社とあと2社のオークションハウスです。弊社の分は7年間の伝票を直ぐに取り出せます。ロット番号が判ればオークション誌から物の確定と購入時の価格も分かります。目に見える書類で完璧な紐づけが出来るのです。他の2社は、私のスキルでは困難です。だから誰よりも役に立つ人にメールを送ったのです。JAPEXセールのアレとアレとアレ、どこで買ったか調べてよ・・。翌日、オークション誌を抱えて来てくれました。10数点の一覧表を作りました。売っての手取り額から買い値を引いて、赤字と黒字をチャート化するのです。数点黒字が有ったのですが、トータルでは勿論赤字です。損益通算が出来るので益が出て無いので申告義務は有りません。更に、譲渡所得なので基礎控除の50万も使えます。私ならこのルールで、申告不要ですよ、税務調査が来ればそれはその時、説明できますよ・・とぶっ飛ばすのですが、真面目な税理士さんが相手なので、懇切丁寧な一覧表を作りました。協力者は勿論、水口(みなくち=濁らない)公秀さんです。赤字なので税務署に提出したか否かは分かりませんが、【準確定申告】の税額がゼロだったのご報告は貰いました。でも、まだまだ作業は続きます。相続に関してですが、オークションで売るという事が如何に楽かが判ります。他人に説得力を持って証明できるのです。次回はその解説です。