月別アーカイブ: 1月 2024

たんぶるぽすと Vol.48 No.2

たんぶるぽすと Vol.48 No.2-0001 たんぶるぽすと Vol.48 No.2-0002 たんぶるぽすと Vol.48 No.2-0003

流石山崎君です。着眼点、発想力、行動力は大したものです。敬意を表して3頁の記事を掲載させて頂きます。実は、この記事のゲラは、本を出す前に読んで欲しいと言われて、昨年末に頂いていたのですが、その時はすんなりOKを出したのです。事実の周知が何よりも肝要だと思ったからです。でも、年が明けて事情が急変したのです。山崎君の能力は大したものですが、最後の詰めが甘いのです。3頁の記事の最終盤に結論が書いていますが、余りにも悪事を為した輩を善人として評価しています。【鑑定書が有れば返金する・・・。係争の意志が無い事を明らかにしていました。】の部分です。それが本当なら、或る意味解決です。でもそれは夢の中、相手は甘くないし確信犯です。読者や他の被害者が誤解する可能性も有るのです。気づいて、訂正を申し入れたのですが、間に合いませんでした。たんぶるぽすとのこの記事をベースに、郵趣3月号にも追いかけ記事が出ます。この分のゲラも頂いたので、絶対に返品・返金は無いからと改めて貰いました。

つい今しがた、記事に書かれた『諏訪さん』から電話を貰いました。購入先は、島田市の女性名で、牧之原では有りません。和桜6銭チが、3~4万、洋桜30銭ブッチが39万でのお買い上げだったそうです。鑑定は墨六は水原財団に、30銭ブッチは切手商組合に依頼しました。この2点なら、我々サイドの判断なら、誰がやっても結論は同じです。当然のように鑑定書付で返品したのですが、別項目で書いたのと同じ結果になりました。紙1枚の鑑定書は証拠として認められない。だから返金は出来ない。日本で最高の鑑定機関を紹介する・・。そこの判断で偽物なら返金に応じるです。勿論、牧之原のあの人に頼めです。牧之原と島田は、ご近所でしょう。同一人なのか、縁者なのか判りませんが、役割を使い分けているのでしょう。

次回からは、私が最重要視している、XRFをテーマに論じます。何せ先方は、検査機器に2億円も掛けているそうなので、まさか間違ったデータを出してない筈なのですが。

立派な鑑定書

事態は正に毎日動いています。乗り遅れないように、最新の情報を取り入れつつ更新していきます。やるべき方向性は見えているし、予想以上に説得力の有る資料が手元に来ています。論理を組み立てるのに必要な物は想定以上に集まっているのです。重要な研究データの引用も関係の方にお願いして快諾を頂いています。後は私の働き次第でしょう。

最重要な要素が有るのです。我々郵趣家ならコンセンサスとして身についているルールですが、それを前提にして対峙できない相手と争うのです。これは郵趣家が一般の世界に於いては、無知で世間知らずのせいなのですが、善意の中での真偽を争えると思うと足元を掬われます。鑑定に於いては、郵趣界のフィールドでなら、全日本郵趣連合、水原財団・・のそれが有効性を持つのです。でもそれは金魚鉢の中でだけなのです。荒波にもまれる海に出れば、即座にひっくり返されてしまいます。今回の事案で刑事事件化を狙っても相手にされません。理由は公判維持ができる為の証拠を証明できる鑑定機関との接点が無いからです。郵趣界のそれが、国際的な認定を受けている組織発行の物だと、声高に叫んでも馬鹿にされて終わりです。現時点では全部は詳細に調べて無いのですが、裁判で有効な機関は、科捜研がベスト、国立印刷局なら多分、スプリングエイトで、もしかしたら・・・位の条件がついてしまうと思います。何れの組織でもこの案件では協力を得られません。民事の場合を考えます。該当品は絶対に偽物です。然るべき鑑定書も付いています。郵趣界内部でのディールなら、当然返品できるでしょう。でも、今回の件を法廷で争うならば、郵趣に心得の無い裁判長を説得せねばならないのです。原告(買い手)は証拠として、郵趣界の権威ある鑑定書を提示します。我々のコンセンサスでは、紙は1枚で結論は1行、『この切手は真正で有りません』。それを最終結論として受け入れられると期待するでしょう。でも被告(売主)は12ページの【鑑定書】を提示します。たかが1ページの理由も書いていないぺーパーに比べて、自分は高額(総額で2億円)の専門機器を用いて、ここまで詳しくやっている、こちらの方が正しいでしょうとやるのです。裁判長の心証は如何な物でしょうか。

議論に入る前に一部をお見せしますので考えておいて下さい。存在している絶対的な真実が有っても、法廷が受け入れてくれる証拠で立証できなければ、完全な第三者が判断をする裁判では勝てないのですよ。実際に、切手よりも前に問題になっていた彼の悪事の原点でもある、【皇朝銭】の偽物で、貨幣商協同組合が裁判の可能性を探った際、顧問弁護士さんが積極的な反応で無かったので断念したと聞きました。この状況が今や郵趣界に来ているのです。事を為す場合、郵趣界という正義と善意を前提にしたフィールドでのバトルでは無いことを、心して当たらねばなりません。この鑑定書の全てに反論する必要は無いと思います。キーになる事実を指摘すればそれでケリでしょう。次回からそれをやって行きましょう。私が書けるテーマだと思います。

kantei-0001 kantei-0002 kantei-0003 kantei-0004 kantei-0005 kantei-0006 kantei-0007 kantei-0008 kantei-0009 kantei-0010 kantei-0011 kantei-0012 kantei-0013 kantei

 

プロローグ Wind・・・Boy

昨年の11月6日、JAPEXセールを終えて帰阪したらメッセージが残っていました。思わぬ人からの物で、鑑定の送り先の問い合せでした。ヤフオクで変な物を買ったので、鑑定に出したいとの事でした。久しぶりに盛り上がって2時間位は話しました。勿論、私は仕事をしながらなのですが。実践的な法律論の話で波長が合うのです。テーマは、件の人物のヤフオク出品です。私は2015年頃からデータを見つけていたのです。切手よりも皇朝銭のディーラーで、もっと言えばXRF=蛍光X線分析器での元素分析ができ、鑑定をやっていると、かなりの分量の情報を出して宣伝していました。当方では無料サービスでやりますが、或る意味ご同業なので気になっていたのですが接点は有りません。最初から住所氏名をオープンにしていたので、記憶に残っているのです。ビジネス上の屋号は共通ですが、ヤフオクIDは変えているか複数持っているかなのですが、いつしか特徴の有る、出来の悪い手彫の偽物を盛んに売っていたので目立って来ていたのです。この時点では買う方が悪いレベルなので、眉を顰めはしてもさして気にもしていませんでした。でも、昨今はちょっと酷くて危険な状況になって来ているのです。

電話での問い合わせの主は、2点の桜切手を買っていました。墨六ハの未使用、17,000円、出品者の住所は静岡県牧之原、和桜2銭仮名入りで【イ】の未使用と思しきものは、静岡県島田市、2350円位なので、本物ではないしお遊びなのです。鑑定に通ることを心配していたのです。今は同様の物が氾濫しているし、どう見ても大元が一緒だと見えるのです。2点の出品者の住所はごく近い筈です。脈絡のない出品ですが、一見出来の良い物も混じって来ています。そしてヤフオクでは、変な物が数十万で落ちることも有るのです。反復、継続の出品です。ヤフオクで止まらず、プライベートのディールに進んでいる可能性が懸念されれます。だから落札者本人も、やる気満々だし、私もディールの果ての結果が知りたくなったのです。全日本郵趣連合の鑑定結果が2か月後に出たのです。勿論、2点共に偽物、まさか間違えることはない出来栄えですから当然です。

次のシーンに移ります。落札時の取引ナビでの遣り取りで、鑑定で偽物になれば、鑑定料と送料を含めて返金するとの返事を貰っているのです。だから、落札者はレターパックで返したのです。カタログ値500万の和桜2銭イの方です。数日して、メールで返事が来たのです。『必要用件を充たしていない』から返金は出来ないと言うのです。国際的に認められている鑑定機関の鑑定書を突き返して来たのです。勿論何度もメールで遣り取りを重ねました。結論を取りまとめるなら、全日本郵趣連合、水原フィラテリー財団、切手商組合の鑑定書は、ペーパー1枚に結論しか書いていない、だから書類不備なので返金不可、現物を着払いのゆうパックで返してきたそうです。同時に、ご希望なら信用できる、返金可能な鑑定機関を紹介すると言うのです。面白いし、大いに煽って聞いて貰ったのです。返事が来ました。静岡県牧之原市・・・よく見て来た住所です。まさに、予想通りだし、おいおい・・でしょう。