月別アーカイブ: 6月 2022

34年ぶりの再会です。

8月のオークション誌の編集が佳境に入って来ています。後3週間弱で入稿せねばなりません。何時もの同じで結構きついタイムテーブルで動いています。

本当に偶然なのですが、全く繋がりの無いお二人から同じような物が届きました。偶然としか言いようが有りません。欧文櫛型YARUTOです。最初は1.5銭のオンピース、後が3銭のオフペーパーです。記憶に有ったので、ちょっと探ったら、キッチリと資料が見つかりました。昭和63年12月28日の日本郵趣連合の鑑定書、署名者は金井宏之氏です。【真正では有りません】の結論に私も同意いたします。印色が気に入らないのです。疑って見れば、幾つも瑕疵が見つかります。今回の出品物は、この現物を剥がした物です。34年ぶりのご対面です。現時点ではルートを手繰っての出所のトレースはしていないのですが、少なくとも複数人の手を経ての流通だと思います。偽物として出品して啓蒙するよりも、黙って返すことと致します。

当時の噂では、ある人の固有名詞付きで出何処が話題になっていました。名古屋方面だったと聞きましたが、定かでは有りません。もう1点の3銭のオンピースは、当時に私が入手して、サンプルとして持っていた物です。1.5銭の方は別の人からの今回のセールへの出品でした。この3点を並べれば、雰囲気は全く同じです。素性も出所も一緒でしょう。全く繋がりの無い2か所からの30有余年を経ての私の手元での再会です。こんなことも有る物だと改めて実感したのです。まさか、もっと続けて出るとは思わないのですが、もし見かけたら十分に注意が必要だと思います。

YARUTO-001

こんな物が・・・見つかりました。

手元に超一流の越後国の初期消印のコレクションが来ています。8月のセールから順次オークションに出品いたします。竜から旧小判4銭貼までの不統一のカバーが主体です。殆どが表に出ていなかった物だと思われます。まともな珍品で無いのですが、毛色が変わった物を見つけました。小判1銭葉書の〇新潟消です。着印から、12年11月29日の抹消だと分かります。故玉木国夫氏のメモが有り、12年の使用例が2点見つかっているとの記載でした。もしかすれば、その現物がここに有るのかも知れません。新版・明治郵便局名録=近辻喜一氏校訂に新潟の抹消印が時系列で出ています。不統一での抹消は〇新、そして〇新潟しかないのです。単片は改桜20銭チと旧小2銭紫が有りますし、出現している額面から判断すれば、同年代=12年と推定される物が他にも若干あるかと思います。9年のそれは私に来た資料からは見出せません。

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この2点の葉書は最初にコピーを貰った時には、【複写】のメモ書きが有りました。一瞥して、正に一方はコピーだと思ったのです。でも、現物は違っていました。同じ物?が2枚重なって入っていたのです。画像をしっかり見てください。〇新潟の右辺の欠落、二重丸印のデータと特徴、どう見ても同じ物でしょう。でも、物は2枚です。宛名も文面も一見【コピー】に見えたのです。でも、疑ってよくよく見れば細かい差異が見つかります。コピーや変造では無いでしょう。同じ人が同じタイミングで2枚の葉書を書いたのです。同時に投函、全ての行程で同じタイミングで抹消されたのでしょう。こんな偶然、どうすれば起きるのでしょうか。奇跡としか言いようが有りません。今回のコレクションには、もっと本筋の良い物が本当に沢山有るのです。それは是非次回のオークション誌でお目に掛けるようにいたします。赤二の◎、記番エンタ、不統一の単片からスタート致します。