日別アーカイブ: 金曜日, 6月 18, 2021

買入屋さんのスペッシャル評価とは

今回の取引で感じたテーマが有りました。弊社の場合、徹底的に高く売って鞘を稼ぐのです。それがオークション業者のサガです。売れる値段は青天井なので面白いのです。【バイセル】さんは無知な相手を騙して儲けるでしょう。この件は機会を設けて書きましょう。上場企業として公表されている情報から読めるのです。【買取屋】さんは仕入れて儲けるです。その一端を見せましょう。主たる営業品目はあくまで、記念の額割れです。数%の鞘抜きを狙うのです。ここの場合はうまくやれていると思います。大儲けは無理でも手堅いビジネスモデルです。でも、今回の場合は、余りにも物が良すぎて扱いに困ったのでしょう。買ったところで的確な売り方を知らないと思います。でも案外複数のIDを使ってヤフオク出品をやっていたりして。東京方面の人ならば、公益財団法人オークションへの持ち込みみたいなことも有るのかも知れません。弊社の場合にも、結構それに近いお話は有るのですが、ヤフオク出品のスピードには勝てないので目に見える形では実現していなかったのです。でもヤフオクにしろ、売る際のテクニックが必要です。今回の一連の物がそうなっていればひとしきり話題になったかも知れません。

エクセルリストに数字で出ていて、トレースが出来た物を少しお見せいたしましょう。

エンタイア66通 18,700円→電報封筒 送達紙入り 明治7年、かなり早いと思います。14円00 6枚貼 1円過貼ですが、そうれを言うのは野暮でしょう。

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田沢 未使用84枚 24,000円→旧毛25銭銘付田型 この目打の霞罫はユニークでしょう。実は、全く同じでペアならば見たことが有るのです。誘っているのですが未だ手許には来てません。

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プレミア2666枚 23,480円→昭和の未使用ブロックが大部分でした。地図洩れの8B、残念ながら2枚欠けが惜しまれます。他にもよさげな物が沢山有りました。

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使用済3752枚 38円→査定表で一番受けたのがこれでした。@1銭を見事に切り上げているのです。波消しの万束でも同じ値段で買ってくれるのです。そこに物が有るならば、絶対にゼロにはなりません。3752枚を1枚残らず、きっちり数えてくれたのです。私は一瞥で抜きました。旧毛50銭、局は勿論KOBE2、ジャンボマージンの単片は穿孔H&SBCです。田沢の目打違いで穿孔のコンプリを目指す人、これは絶対に買わねばなりません。一度切りのチャンスかも。そして最後が大仏1円の耳付縦ペアです。40年ぶりの対面です。一連のエラーコレクションでした。無目打と書いて売りに出て、買うか買わずかをものすごく迷ったのです。出所はしっかりしたコレクター、拡大写真でも目打の跡は有りません。でも理屈が先に来るのです。ゲーベル印刷で無目打エラーは有り得ない。未使用ならパートエラーの横流れが有り得るけど、使用済は窓口で売られたシートのはず、知らずに売られる確率は低くなる。だから勝負に飛び込めなかったと思います。今回初めて現物を手にして、疑ってシゲシゲ見たのです。ブラインドパーフの跡は皆無です。だから次回セールの表紙に使います。最低値は30万で良いでしょう。

アメリカ西海岸のオークション、登場人物はハワイの和尚さん、ジャンボ後藤正義兄さん、姫路の水道工事屋さん、そして最後は番野一臣さん。40年近く経っていて、完全に記憶から消えていたマテリアルです。これ1点で今回の持ち込み品話の全てのピースが埋まるのです。オードワイユの全貼コイルの謎がいまやっと解けました。次回に詳しく書きましょう。

エクセルシートをアナライズ

本当に綺麗な明細書でした。日本切手(ごく少数の外国含む)が258行で、締めて1,642,404円、中国が128行で1,503,062円、査定額の総合計は3,145,466円です。大口なのでスペッシャルな値段を提示したと思います。ここのホームページを見ると面白いのです。パートのオバちゃんが、ピンセットで切手を1枚づつつまんで電卓を叩いている様子が見えるのです。そしてこれは嘘でなく実際にやっている事なのです。最低の買い入れ単位は1銭です。支払い時に多分切り上げるとは思いますが、実際に一覧表に出ています。日本の使用済切手=100枚で1円、20円松の波消でもそうなのです。除外品目は有りません。買い取り屋さんの日本切手に対する評価基準は3区分です。【額割れ】別納で潰します。最終的に処分できるのが記念なら85%~88%がMaxなので、逆算しての買い入れ値です。【プレミア】我々とは違う定義です。戦後の場合、額面以上なら機械的にこのカテゴリーに入ります。【その他】使用済・エンタ・FDC・みほんがこちらです。物は有っても要するに評価できる人がいないのです。無理やりにルールを作って買取品のメニューに入れています。作業をするのがパートのオバちゃんなので、社長が定めたマニュアル通りに動きます。余計な判断は致しません。だから良い物は限りなく安いのです。ゼロではないという言い訳の為のビジネスモデルです。でも全てに於いて、基本的に状態には拘りません。額割れはこの計算式でOKです。プレミア物も状態が悪いからと言って、無茶には値段は下げません。逆に言えば、状態が極美であっても査定値を上げることも出来ません。

258行エクセルの日本切手は5タイプに分かれます。A=シートの額割れ・1円~50円未満は80%、50円以上は85%です。大口買い入れの割り率を適用しています。査定額は138,708円です。B=バラの額割れ=記念も普通も一緒です。1円から1000円まで、基本的に1次円単位以降の普通、ビードロ以降の記念・特殊と小型シートが該当します。50円未満が65%、50円以上が70%です。この分の査定額が388,679円有りました。C=プレミアシートです。査定額は309,700円です。詳細は後述します。D=プレミアバラ、型価の高い単片と小型シートと切手帳です。385,822円です。E=専門評価が必要な物でしょう。銘版・CM・みほん・戦前シート・エンタ・FDC・絵葉書等です。419,495円です。これは目玉なので詳しく分析していきます。

Aの買い入れ値の数字、80%~85%はいい値段です。一瞬負けるかなと思いました。でも、チャートの額面ごとの数を見て安心できました。5円20面が166、10円20面が327、15円20面が19、20円20面が6,50円20面が2、60円10円が1です。物の出何処は殆どリタイア状態の元ディーラーです。現役の額割れ屋さんでは有りません。額面のツラで判ります。50円以上の最近の記念はゼロなのです。現行の100面シートもちらほらですが、5円・10円の20面が主体ということは、オリンピックの5+5、花すいせん、三景、まりつき~源氏あたりが多いのです。プレミアを付けては要らないけれど、もろに額割れでも有りません。トータル額面でOKです。7円100面が3シート有りました。掛け率は80%、でも、全部が【発光】だったのです。後期印刷の燐光明瞭、惜しむらくは全体に古色、シート売りはキツイかな。この状態でも1掛けの2万なら私が買っても大丈夫です。本当の額割れ品はごく一部なので、査定額138,708円の5割増しで買いましょう。208,062円です。エクセルは楽なのです、枚数を読まなくても大丈夫、表面(おもてずら)の評価を決めれば単純な掛け算で済むのです。

Bのパートも同じです。1円から1000円まで、現行の日本切手で存在する全額面が有りました。あくまで額面をメインとしたらなのですが、多い順に10円が2642、15円が1898、12円が1734、20円が1012、4円が862、5円が828・・。記念のバラは誤差位です。コイルが結構多いのです。現行のコイルも勿論額割れですが、普通切手は違います。12円の1734、甲虫しか有りません。4円は基本的にオキナエビス、他の額面も95%は普通切手です。小型シートは邪魔なのですが、気になる程は有りません。ここまで書けば判る人もいるでしょう。普通切手の無意味なブロックで、引きの為に紙に100枚貼る必要はない物です。基本的に、10BでCM又は銘付、それらの単片が掃いて捨てる位に有ったのです。12円1734枚、CMと銘付だけどどうやって売るのかな。40円の陽明門でもCM付10Bが11組有りました。有難いし面白いロットです。20円松のCMが無いのは残念ですが、美味しいバラエティーも出るでしょう。現金化に手間が掛かるという、私の都合で値段は押さえましたが、それでも査定値の2倍です。388,679円x2=777,358円と踏みました。

Cの対象は1955年以前の記念・特殊です。幸いなことに今の相場で最悪の小型シートはゼロでした。半分は観光地百選です。文通だけは別格で蒲原を1万円で踏んでいます。結構いい値段だと思います。観光・国体・文化人、そして記念は三博だけ、こちらは状態のロスを前提にしての値踏みだと思います。基本1掛けになってました。状態はさほど悪くありません。銘柄もOKです。5割増に致します。309,700円x1.5=464,550円です。

Dは不思議な品揃えでした。ボストークの図入りが1冊、状態がMixなので高くは踏んでないと思います。欲しくは無いのですが、最大口が制定で4シート、LHで4万~4.6万、郵番帳が52冊で、@700円、これを指標にして5割増に致します。385,822円x1.5=578,733円。

Eは圧倒的に銘付が多いロットです。1昭以降ですが、透かし無までの銘10、航空全般の銘付単片、面白ネタで震災10銭の使用済シートが3000円になってました。産業の100円・500円の綺麗な銘付ペアの評価は型価の15%、銘柄と状態に対してプレミアを付けていないのです。ラッキーなロットです。2倍に評価しましたよ。419,495円x2=838,990円です。

A~Eのマイプレミア額は1,225,289円です。中国と日本のエクセル評価が3,145,456円→5,367,683円になりました。でも、これはほんのの序の口。本番かこれからです。

日本の使用済は100枚で1円です。@1銭なのです。3752枚が38円になっていました。エンタイヤが66通=18,700円です。田沢各種が84枚、24,000円です。プレミアいろいろ2666枚・23480円という物も有りました。さあ。何が有ったでしょうか。次回にお目に掛けましょう。書けるネタが満載です。ジャンボな兄貴とハワイの照道和尚さん、強烈な記事になるでしょう。まさかここで40年ぶりに会えるとは。不思議な出会いに感謝いたしましょう。