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凝縮された3冊を評価して、いい数字を出しましたよ。10分位のパラパラめくりで踏んで、ざっくりと1000万かなと言ったのです。10日かけて詳細を調べても、同じ数字になるのです。額面計算でなく、ひねり物なので、かえって瞬時に足し算が出来るのです。そして商売っ気よりも、捻って料理したいというオークショニアの血が騒いだので、即金の買い取りでなく、オークションへの出品を強く勧めたのです。精算まで数か月は掛かるけれど、絶対に手取りは増えるはず、税金も心配ないように教えるからと。
持って来てくれた3冊が全部では無いのです。ネットで調べて、査定を依頼中の物が有る。今回の物は古くて使っているので、価値は無いと思っていたので誰にも見せていない、別口で未使用が3箱位有って、いま計算を頼んでいて、途中経過で300万を超えていると言うのです。前の持ち主の素性からして、記念の額割れが山ほどあるとは思いません。未使用だって、額割れ品がメインでなく、銘版や目打形式のプレミア物が多いはず。だから商売は暫し中断、買い取り屋さんの未使用物の評価が300万なら、私ならミズテンで500万は出せますよ。でも占めて1500万の買取よりも、基本的にオークションでの出品の線でまとまりました。全品はオークションには無理なので、一部は現金決済での買い取りです。手付=内金で、買い取り屋さんの見積額は喜んで払えるのです。
幸運な持ち主が最初に声を掛けたのは、ネットの検索で圧倒的に第一位、高価買取のバイセルさん、東証マザーズ上場で従業員が594人、専門の査定スタッフを250人抱えているガリバー企業だったのです。テレビでもコマーシャルを流しています。彼が電話で呼んで評価を聞いたら10万円、当然拒否したら、量が多いので調べたいと言って持ち帰って出た数字が50万、売主さんはこの値段の違いに不信を持ったので、別の業者に依頼したのです。大阪・中津の「切手専門買取屋」さん。1枚残らず評価するし、全部の明細もチャートで出すのが売りなのです。1週間ほど掛けて実際にエクセルシートを作ってくれました。その数字が314万5456円。50万と314万は値段違えども物は完全に同一です。でもこの2件の査定には、弊社に最初に持って来てくれた使用済やカバーは入っていません。もしあっても、評価の数字は数万円も違わないのでしょうが・・・。
大筋はこの時の面談で決まってました。後は時間を調整しての全部の物の持ち込みと内金の引き渡しだけ。こちらの都合でオークション明けの6月5日の土曜日にして貰ったのです。バイセルの悪評は轟いています。弊社に出入りする同業者は異口同音に言うのです。別の物を買いに行ったら、切手も大量に有ったけど、安く持っていかれてしまっていた・・。テレビとネットは凄いのです。「1枚残らず評価しますの買取屋」さんの評判も聞いています。真面目で信用できるのだそうです。でも、その評判と評価しての買値はリンクはしないかも知れません。切手の売買で儲ける方法は2種類です。買って儲ける、売値が決まっているので逆算しての鞘抜きです。額割れ商売や記念のアルバム物商売はこれなのです。もう一つは売って儲ける、買う時点での一定のヘッジは掛けるけれど、実際の儲けは売った時点で確定です。ひねり物はこちらです。今回のディールで買い取り屋さんは前者、弊社は勿論後者です。本質的に評価の基準が違うのです。詳細を分析して見ましょうか。物凄く興味が有ったので、物と一緒に明細書を持って来て貰ったのです。