高崎光吉さんの記事は完璧です。私が知りたい要素の全て網羅されていたのです。瀬戸口正(寸一路)氏は、大正14年5月生まれで1995年8月に逝去されています。商業デザイナーで、日本画家ですが、郵趣界的には肉筆FDCの瀬戸口版の版元として知られています。その業績は、私がくどくど書くよりは、前述の高崎さんのそれをお読み頂きたいのです。ここでは竜文のシートに絞って纏めてみたいと思います。肉筆シートは、当時お世話になった、深谷市の大谷二郎氏にお礼として贈呈されたもので、4種各1点限りの物です。瀬戸口氏から大谷氏へのこの期間の私信も多数公開されており、昭和37年から38年にかけて、数度にわたって渡された事実が読み取れます。大谷氏がご存命かどうかは分かりませんし、48文と100文は残念ですが行方は知れません。記事には、シート以外に200文Pos31の腕落ちの模写が、11.3㎝x11.3㎝で描かれた物が有る記されています。その現物は不明ですが、私の手元には同じタイミングで入手できた、100文2版のPos18の腕落ちの全く同じものが有るのです。左下に白抜きの「瀬」の落款が押されています。これの存在は高崎さんもご存じないかも知れません。今回のヤフーの出品では、この落款を見つけたから、私が瀬戸口のシートと信じて飛び込んだとも言えるのです。原寸でない、「お化けサイズ」なので、図案もかなり違うし、実寸の肉筆ほどのインパクトは有りません。因みに、シートの方は紙の厚みは200ミクロンで、本物の竜文の3~4倍の厚みです。筆書きの為にこの位の厚さが必要だったのでしょう。貰った大谷さんは、埼玉県深谷市の住人です。私が買ったのが埼玉県の古美術商、遺品?が流れて出たと考えれば、見事に辻褄が合うのです。ご存命中なら手放される可能性は皆無です。

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大谷氏もそうですが、瀬戸口氏も手彫切手の収集家で、竜のカバーを収集されていたと聞きました。4種シートの模写は、手元に本物のシートを置いて為した物でなく、何らかの資料を使って描いたと思われます。細かい図案の相違が有るのはそのせいでしょう。写真を元にして写されたのかなと思います。因みに昭和37年なら、市田氏の英文のDRAGONが発刊されています。瀬戸口氏が、FDCを商業的に頒布されていたのは、昭和34年から46年4月20日までです。私的な物や、幻の3点制作の「笹の會版」などのお話は、他の方に譲って、視点を竜文の肉筆に絞りましょう。エポックメーキングな物が有るのです。花下遊楽・昭和37年の切手趣味週間です。連作で40通作られていて、48文の1版をPos1~Pos40に似せてカシェにしたものです。高崎さんのHPには30点近く載っています。知る人ぞ知る事実なので、欲しい人が沢山いると思います。同じ切手で、限定20部の名品も作られています。偶然ですが、弊社の今開催中の99回フロアセールのLot27、竜文4種をカシェにした肉筆カバーです。封の裏に鉛筆で各切手のポジションが書かれています。このカバーは全て1版のPos40です。風景社のFDC忍び草にも同じ物が載っていて、こちらは48文1-1、100文2-18腕落ち、200文1-31腕落ち、500文1-2中期印刷・襷リタッチです。

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昭和37年頃が、瀬戸口氏とすれば、最も筆が立っていた時だったのでしょう。竜の4種の肉筆シートも、ぴったりとこの時期に当てはまるのです。縁あって入手できたこのシート、いずれはマーケットに出したいと思います。私の手元にある内に、ご希望の方にカラーコピーを差し上げます。200文と500文の肉筆シート、その他の参考品も添えてです。期日は2017年11月末までで、送料も含めて無料でお送りいたします。E-メールでお申し込みください。

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