珍品ではないのですが、この姿は中々見られないと思います。先ずはスピロ5X5の完全シートです。画像の物は、HR Harmerが、ロンドンに会社を持っていた時の、リファランスコレクション、だから、元はウッドワードコレクションです。あの、菊の偽物のカバーとオンピースと単片の未使用(未使用ペアはその後のプラーベート取引でディール)が、オークションに出た時に、連続番号で出品されていました。スピロのロットは数十枚でワンロットでしたが、落札値は、菊の偽物のどのロットよりも高かったのです。菊の偽物は相場は高値で安定、スピロの方は、偽物のコレクションでたまに見かけます。相場とすれば、シートで1~2万でしょうか。面白さは有るのですが、競争出品の伝統郵趣には使えないものなのです。
もう一つのグループは、ラムスデンの偽物です。H.A.ラムスデン、1872年生まれのキューバの総領事、貨幣の研究家で有名です。巧妙精緻なものから、ちゃちな物まで、日本からギリシャ、ローマの古貨幣までの偽物を大量に作っています。国内では一切売らずに、輸出専門故に悪事は露見することはなかったのです。死後、逆輸入されて、バレテ大騒動。今でも、大判・小判も廻り回ってマーケットで見かけることも有るのです。切手のオークションに出て来て、思わず買いそうになって、古銭のプロに情報あげたら、大分馬鹿にされました。
切手の絡みで言えば、義理の弟・奥さんの弟に、小早川商会をやらせていました。それなりに手広く、真っ当な商売をしていたのでしょうが、文献上の名前が最も有名です。この程、弊社のH.P.を見てくれたお客さんから、初見の資料を頂きました。単片の偽物は、昔から知られていたのですが、全体像が分かったのです。9X12面のシートです。出来映えからして、本物と間違える恐れはないのですが、未使用も消印付もルックスからして新鮮な驚きでした。売り物として出て来るかどうかは分かりませんが、取りあえずは、トッピックとして記録しておきましょう。識者数人に見せましたが、誰も見たことがないものです。