月別アーカイブ: 4月 2012

2012年4月28日(土)

『オークション・ライブで中継 4』

昨日、予定通り、というよりも元から変更NGでの入稿日に、PA72回の原稿を入稿しました。ロット数は2495と予定より500点マイナス、最低値合計は約4000万円です。既に情報はUpしていますのでご覧いただけますし、ダウンロードも可能です。入稿して、写真の撮影と表紙関係の文字の校正も終了、校了で、あとは5月15日の納品を待つだけです。

私のPA72・MA62の仕事は、東京の下見会と、フロアのコールだけ、それ以外は精算にいたるまで、一切ノータッチ、慣れたスタッフが全部やってくれるのです。

今回の編集には本当に苦労しました。追い込みの段階で、原因不明の発熱で3日間休んでしまいました。仕事が遅れて不義理を刷るストレスと、体調を秤にかけて、38度台なら何とか頑張れますが、39.4度になると集中力が保てません。点滴と、強い鎮痛・解熱剤のみで2日で復活できたのですが、通院は1回で済ませたので、主治医の先生から体調確認の電話を貰いました。推測できる原因はありますが、医学的には確定出来ていません。今は完全に普段の状態に戻っています。

既に、何度も折に触れお願いしておりますし、文章にしておりますが、ご出品物の量が、弊社の処理能力を超えております。デッドラインの日付までに届いた物も含めて、本来なら載せられる物も、今回は3日間のロスで500点は間に合いませんでした。更に、レギュラーのご出品以外に、アルバム数十冊~100冊+の処分の依頼も複数受けております。ボストークの2巻~はアルバム単位で売りますが、消印やカバー物は1点売りでないとオークションでの結果が望めません。こちらは長期の分割掲載でご了承頂いておりますが、何時までも放りっぱなしには出来ません。

オークション誌に、情報を載せ、せめて@3000円以上の物で、平均で1万円程度の物をお願いします・・と書いても、平気で無視する人が多いのです。90歳を超えたから死ぬまでに売りたい・・と300点をリスト付で送られても、キャパオーバーの状況で処理すれば、この方以外の編集作業は確実に3日は遅れてしまいます。蔵出しが出所の丸一のカバーとか、1990年代の海外の自分宛のカバーとか、最低値一任でもロッティング自体が不可能な物も多いのです。オークショニアの手間賃云々よりも、ゴミを商品化するのに掛かる作業の時間が、他の方の良質の出品物を押しつぶしてしまいます。1点でオークションに無理な物は、100点集めても価値は変わりません。結果としての売れる、売れない以前に、準備作業のロッティングに要する手間が間尺に合いません。出してくる人に常識を求めても無理だし100年河清を待つのも賢明では有りません。今後はオークショニアの判断で、機械的にクールに作業を進めます。親切心と優しさでカバーしようとしても、私の体力が持ちませんし、他の方に迷惑をかけてしまいますから対応策が必要です。

オークション誌にも書きましたが、PA73・MA63への新規のご出品の受け付けは休止します。現在の積み残しと、分割出品で、5000ロットは軽く超えます。全ての分野を網羅できますし、何とか溜まっている不義理の山を崩してしまいたいのです。少なくとも、7月10日までは出品物は送らないで下さい。その後のJAPEX特別セール、12月のPA75・MA64へのご出品に関しては別途案内いたします。

2012年4月20日(金)

『オークション・ライブで中継 3』

一昨日ようやくMA62の原稿を書き終えて、入稿完了です。2427ロットで最低値合計は993万円です。既にWeb.に情報をUp致しました。PAの入稿日まで丁度1週間、ノルマはあと1500点+結構きつくなりそうです。

毎月の義務的な仕事は既に完了、残りの期間は早朝から夜中まで原稿書きに集中します。

4月20日の少し後に、興味深い海外のオークションが複数集中しています。見るだけや、数点の代行ビッドだけが多いのですが、久しぶりに自分で力を入れたのが1件有りました。欧州全域のオークションのコアな情報をくれるルートから、下見の報告を貰いました。記念オークション=Sonderauktionだし、珍しく日本がかなり出ているので、掲載前のロッティングを手伝ったとのことです。かつては、参考値1万円の手彫のロット、本当のギリギリMaxが150万円に、私が飛び込みのメールで200万を入れたら、195万で落とされました。フロアのスタート値は10万円以下でしたが、彼の地が出身の、R&S Schapiraが匂いを嗅ぎ付けて、場に出て、私のメールビッドを聞きだして、悪戯したと言っていました。その後にU小判5銭のP13他貼りの葉書の書留 KB2下野日光町が出たのもここです。この時は人を立てて落しました。シベリア出兵の俘虜郵便も良く出ています。昔は惚れ込んで買って、随分高く売りましたが今はどうでしょうか。メジャーなオークションハウスではないけれど、ここらあたりでも、今は完全に場に出てビッド出来るエージェントを使えるので、今回は結構強い札を入れました。誰も知らないオークションで、自分ひとりのビッド・・ということは今や世界のどこでも起こりません。情報はオープンです。

香港のDynastyでも、第1回のセールでは、突然送られてきた、名も知らないオークションに、エクセレントなJAPANが出た・・。自分しか知らないかもと・・結構それを夢見たビッドが有りました。テレホンビッドのアメリカ人は、頑張って良い物を買って、弊社への出品で結果として儲けていました。日本人のメールは高く入れれば、入れたままで落とされるし、下見しないと分からないロットは当然買えないし、転売ビジネスとしてはきついはずです。素人さんが利を得るのは簡単ではないのです。

編集が終わったMA62で、かなりの量の不掲載返品が有りました。ここ数回の実績で、毎回30~50点のご出品で、最低値は割安ですが、それでも売れないし、値段も伸びない、当方のお支払額が1回2~3万、1点@1000行きません。これでは反復継続は不可能です。又、別の人からは超現行の平成時代の銘10を最低値一任で100点+、使用済も含めれば300点程のご出品、でも弊社の最低手数料は500円、例えれば、銀鶴100円の銘10などは、往復の手数料を計算すれば、落札者が1800円払ってもトントン、だから額面保証でオークションを成立させるのは不可能です。額面以下の設定をすれば、そんなつもりではないとお怒りでしょうし。エクセルで作った綺麗な一覧表が有るのですが、それは出品物の価値を高めません。この人の300点をオークションで通用するようにアレンジ作業するなら、他の人の出品掲載がベタ遅れになるのです。平成時代の逆2やロータリーの特徴明瞭の銘10も、手数料がオンされるオークションには向きません。足で探すことが可能ですから。

オークションでの値段には紛れは起きません。あわよくばとか、原価が幾らかかったものだからという甘さは全く通りません。今回もボストーク2巻完揃いの出品が2件ありましたが、両方共にNGでした。比較的最近に記憶にあるだけでも3~4回は売っていますが、2巻の完セットの組合カタログ値は約200万円、たとうや表紙、袋も付いて、しかもNHの美品で、弊社のオークションでの売れる値段は入札1での30万です。いつも同じ人=ディーラーが買ってくれるのですが、コレクターのビッドは有りません。ポイントは、100円・500円の4枚を見れば分かります。今回の返品分は、NG・リガム・シミ又は使用済、ボストークの揃いで、この条件ならオークションの商品にはなりません。元の所有者=買った人は、カタログの5~6割は出しているのでしょう。だから1掛けには出来ないし、かといって50ロットへの分割も手間が掛かりすぎるのでやれません。掛けられる時間がたっぷりあれば、現金化は出来ますが、オークショニアの間尺に会わないものを送られて、権利を強く要求して、きつい電話をかけられてもまともに対応は致しません。今後はますますレベルを上げねばオークションが白けてしまうことになりかねません。

今のマーケットでは動く商品が多いのです。入稿終了と連休明けまでは待ってもらっているのですが、ビッグな道具屋さんからも数年ぶりにお声が掛かり、弊社のお客での故人のコレクションのコーディネート依頼が2件、他の業者からの紹介で振られたお話が2件・・・。間断なく仕事はやってきています。それでも今は原稿書きに集中します。

2012年4月13日(金)

『After the sale 』

 最近やたらとスウェーデンからメールが届きます。同じ相手から5~6回は来ています。要件は当然ながら、「玉六ヨ」が自社の200回記念のオークションに出品されているので是非ビッドをしろとのご案内、他の人にも同じ条件で行っているはずです。

この切手は、昨年にドイツの著名オークションハウスのMixのロットから発見された物で、北欧のディーラーが持ち主=出品者です。早い時期に極秘を前提で画像を貰っていて、確か「市田番号=墨六ヨの32」の確認が出来たと思います。美品だし、目打と消印もOK、だからas is ベースでオファーが来れば、喜んでギャンブルしたと思います。情報が表に出ずに買えたなら、プライベートで嵌める手段も有るのですが、オークションに出て、衆人環視のディールになれば動きが取れなくなるのです。買値がオープンのマテリアルは日本では極めて売りにくいのです。余計な雀が騒ぎますから。

でも、持ち主の動きは私の予想以上に素早く、Linn’sにも記事が出たし、ドイツと日本の鑑定も通って、スウェーデンのオークションの目玉となりました。情報がオープンになった後、何人かと話をして、売れる値段=落ちる値段は1000万位、出品者は、がちがちで売りたいはずなので、参考値は安くつけていて、多分5万ユーロかなという線が共通の認識でした。手数料20%を含んで、650万位、この値段ならリスク商売の許容範囲だし、結構競るほうもエキサイト出来るのです。

Web.に情報が載り、間もなくカタログが届きました。今回のセールでは参考値は9万ユーロ、@108円を掛けて、1.2倍なので1166万円、思惑でリスクを被ってスタート値で買ったら1500万で売らないといけません。コミッションベースでノーリスクの客付なら幾ら高くてもOKですが、リスク商売は中々にきついのです。今の日本では買う人のお顔はすんなりとは浮かびません。ミッヘルの25万ユーロ、日本の3000万円というカタログ値は浮世離れしており、大局観に欠ける売り手サイドの都合によるボーガスの数字です。ステータスからして、「玉六ヨ」の実勢小売価格は傷がなくて1000万、但し朱消しでOK、傷はマイナス、白抜十字はプラスの評価になります。20銭イ>玉六ヨ>20銭縞の並びです。

オープニングの9万ユーロには多分反応は無いでしょう。アンダーエスティメイトはせいぜい2割引まで、7万ユーロが限度です。これならほぼ900万円、コレクターなら買える数字だと思います。この時点で5万ユーロのビッドをしてはいけません。オークショニアの評価を馬鹿にしていることになりますから。

和桜20銭縞は、私は6枚扱っています。出品されたオークションに出席したのが2回、後は掘り出しと、プラーベーと委託です。最初はドイツのShwanke & Sohnの記念オークション、出品者は、独系英国人のゴールドスミス、チューリッヒのRobsonLoweでの掘り出しです。表紙にでかでか出たし、DBZにも大きい広告が載りました。エスティメイトは非常に安かったと思います。日本の札は最初から1枚だし、メールビッドは無し、値切って300万位で買えるかなと思ったのですが、身も知らぬドイツ人と競り600~700万位になりました。その次が香港のJohn Bullです。アメリカ人のTylerさんの持ち物で表紙の真ん中に載りました。良い物ですが、参考値が高かつたのか、場では売れずに空売りコールになっていました。結果表で空欄なので、一発勝負で買いたい値段のMaxでオファーして即OKになりました。

日本の切手の高級品には、素っ頓狂なニューカマーが飛び出すことはないのです。カバーは別ですが。だから、今回の「玉六ヨ」へは、アンディーもジェフリーもグイドもデーヴィッドもビッドはしないでしょう。もしジュリアン・クライブがいたならば、場での値切りのオファー対策に、私もマルメへ行ったかも知れません。9万ユーロのコールにビッドがあれば大拍手だと思います。私としては今回は4月28日のセールの後のAfter the saleでの交渉に賭けましょうか。結果は後日ご報告いたします。

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2012年4月6日(金)

『オークション・ライブで中継 2』

出品物の受け付け締め切りまであと2日、土曜日には確実に5人がご来店、海外からも既に送ったの連絡が3件、FedexとEMSなので、きっちりと着くでしょう。ここ数日は1日の受け付け件数が5件~10件のペース、ザット数えて、入稿日までの必要処理件数が80人位になりそうです。いつもなら、締め切ってからの入稿までに約1ヶ月を見ていますが、今回はGWが絡むため、1週間の前倒し、20日間で80人分は相当にきつくなりそうです。

出品物の受け付けは、みなし前日扱いはせずに、7日の土曜日に事務所に届いた物でシャットアウトです。週明けで、メール分を抜き出して、フロアの土曜日セールが必須のものと、日曜日でなければならないものを区別します。現行切手関係は土曜日に、中国関係は日曜日に、しかもセールの時間帯でもくっつけての掲載です。

普通のペースで、記事の編集は1日で100ロット、但し、書けるように並べさえすれば集中すれば、スピードは更に上がります。全部は詳しくは見ていませんが、内容的には結構幅広いのですが編集に苦労するものは無いでしょう。積み残さずに済ませます。

目玉は、突然の電話でやってきた、「オークションでは何が売れますか?」のお問合せ。この質問は最悪でタブー、だからまともには答えないのですが、東宮婚儀の不発行、満州の国防献金、坂東ラーゲル、手彫のシート、青島軍事、かつお釣り・・と答えます。普通はそれで終わるのですが、今回は反応が違いました。並べた順に前からの4点がマジで本当にやってきて、ご尊父が三重県の業者から「自宅でバザール」で買っていた物とか。不発行はシートを4分割した田型を、目の前で、単片に切ったとか・・。竜の200文の初期のブロックなど、オークションの「特」の部なので信じられない金額の伝票を見せられました。ふた時代前のデールだし、お買い上げがご本人ではないのが救いです。売れるであろう概算の数字を電卓で叩いたら、その線でOKの返事を貰いました。手彫の単片も概ね揃っていたのですが、今回の出品は和桜20銭仮名入りだけに留めました。作ったようなおお話ですが、この人の出品は、今回のセールのラストのパートに並べます。

2012年4月2日(月)

『オークション・ライブで中継 1』

第71回フロアは2月25日・26日に開催、第61回メールは2月28日が締め切り、この分のご出品者へのお支払いは、3月13日(火)に完了しています。会社としては、当然ながら、次のセールに進んでいます。

初めての試みですが、オークションの流れを時系列にライブでご報告してみようと思います。次回のセールは第72回フロアが6月2日・3日開催、第62回メールは6月5日が締め切りです。今はまだ、ご出品の受付中、今週の土曜日7日が、最終のデッドラインです。現状で記事の編集が終わったのが、フロアは600点、メールが1700点、最終的には合わせて6000点を目指すのですが、今の段階でかなり日程がタイトになっています。

入稿日は4月27日で確定、GWは4月29日~5月7日までが完全にお休み、発送が5月16日になります。Web.での下見は5月10日から、東京下見会は5月27日です。

セールを終わっての精算は、遅くとも6月21日に、実績では返品受付と残品売りの締め切り日=6月19日の昼には、確定の伝票を出しています。

編集・入稿・納品発送・下見・メールビッド・セール・発送・精算までの流れを、週に2回程度、数字をメインに書いて見ます。オークションのバックヤードツアー、結構面白いと思います。