『売ります・買います』
2012年版のJPS新中国切手カタログが届きました。猿が18万、パンダが25000なので、随分と、ド派手に値上げしています。今年の夏から秋にかけての勢いからは、この値段設定も分かりますが、昨今の本土での実需の相場ではこのカタログ値は通りません。今までにも何度か有った、値段調整の停滞期を過ぎて、エネルギーを増しての再上昇で、カタログ値は安すぎるよというデジャブーに出会えるのは何時のことになるのでしょうか。
直近の相場新聞の数字を出しておきましょう。2012年1月号です。月1の発行ですが、上げは早いのですが、下げには慎重になっています。有り体に言えば、相場の下落を反映してはいません。11月頭までは、この新聞の「買い」の数字に元/円のレートの12~13を掛ければ円換算になり、横浜国際展では商品を作る端から、目の色を変えた中国人同士の取り合いになって売れました。新聞の元に14を掛けて、値切られて、1割引いて商売成立がパターンだったのです。今は、見向きもされません。
銘柄・番号 売ります・人民元 買います・人民元
赤猿 T46 12500 11000=132000円
パンダ 革14 2000 1400=16800円
梅蘭芳小型 紀94M 250000 150000=1800000円
猿が13万、パンダが15000、梅蘭芳が200万というのが、まさに相場だったのです。
郵趣に広告を出している、ぱくちゃん=日中スタンプ商事、さとうくん=宇中(うなか)スタンプ、はるよさん=ケン・ベーカーが僅差で値組みの数字を出していますが、その根拠は正に相場新聞の数字です。直近まで、実際にその値段で買っていたはずです。相場の矢印が右上を向いていたならば、彼や彼女らなら約束は守ります。今は、弱っているでしょう。相場が急変ということで値段を下げざるを得ないのですが、結構エネルギーがいるのです。最初から広告主を疑って、喧嘩を売ってくる輩もいますから。上の数字で分かる通り、「猿」は1割の鞘の範囲での商売です。買います=は業者が買う値段、売りますは、業者が売る値段、最近の相場での13万で動いている猿は、利益5000円で100%本土のシンジケートに入ります。この値段で買えるコレクターは一人もいないでしょう。猿の5分・1割の利幅は極端ですが、他の物も「買います」で買って、1割オンして北京・上海へ即流してしまうのでしょう。コレクション目的でないのは無論ですが、投機とかバブルとかではないダイナミックなメカニズムで動いている雰囲気です。ヤフーを見ればよく分かります。猿が即決13万でウジョウジョ買い手を待って並んでます。来年2月はどうなっているでしょうか。消える時には一斉に姿を消すでしょう。
私にとっての中国切手は、サブのおまけ位の位置づけでした。でも、物が有れば相場と会話が出来るのです。横浜へ行く3日ぐらい前に、前触れもなく、旧知の道具屋のブローカーが売り込みにやってきました。手彫・小判は1種1枚、記念・通常のシートがカタログ値で2000万、それ以外に不発行4種完、おしどりの無目打銘付も有りました。相手もプロなのでギリギリの数字を要求します。飛び込める物には目一杯の数字を出して、何とかビジネス成立。相手は公私共に中国に深入りしていると聞いていたので、パンダいる?15000円・・と聞いたのです。やおら新聞を取り出して、いいですよと言ったので、不発行4種の代金は手持ちのパンダでまかなえました。貯めに貯めていた100何組かが綺麗さっぱり消えました。惜しくも何ともありません。本当に、パンダはどこにでも有るのです。特に、ポートピアでJPSがホルダーに入れて売ったので、関西には沢山残っているのです。
テレビで一瞬情報が流れただけで、7人から問合せがありました。「すまたん・ZIP」は次回です。JAPEXの直前に取材が入ったのです。