月別アーカイブ: 5月 2009

2009年5月28日(木)

『2011年の大金賞』 

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5月14日に開催されたオークションの結果が届きました。スイスはGossauの Chiani-Auktion、キアニーと読むのです。欧州でのステータスはかなりの物ですが、日本では知ってる人は少ないでしょう。このセールに竜のカバーが3点出てました。
Lot2889が48文田型貼 桑名検査済 Ex. Levy
Lot2890が100文貼  西京検査済
Lot2891が500文3枚、48文2枚貼 神奈川駅検査済 Ex.Levy
そして落札値は上から、SFr.12000・13000・80000です。落札手数料がVAT抜きの海外へのExportで19%加算なので、支払いは邦貨では126万、136万、840万になるのです。何れもルックスは良好ですが、昨今の日本の相場では有り得ない数字でしょう。因みに私もビッドはしましたが、何れも掠りもしませんでした。この落札値は日本からのビッドの数字ではないでしょう。超強気の我々が承知していない海外の二人がガチンコで競ったのか、何か出品者サイドの裏が有るのか今の時点では分かりません。ここに書いておけばそのうち的確なレポートが来るはずです。もし計算が立つ、新規の真っ当なビッダーのお買い上げなら真面目に商売のスタイルを変えたい位の驚きの値段です。参考までに昨年のドイツのケラーに出た、坂東ラーゲルの2完のシート、落札値軽く1000万円超えは、日本の博物館やドイツの専門家でなく、北米の某コレクターの札だったそうです。その人はこのテーマでまだまだ買い意欲は旺盛です。 話を進めて、弊社の今回のセールの目玉はLot3420の改色1銭チ 未使用、Lot3444 和桜2銭イ 未使用です。この2点とも最初に掘り出されて市場に出た瞬間に声がかかっていたのです。1銭チは10数年前にアメリカで見つかって、Cherrystoneからプライベートのオファーが来ました。値段は十分買える数字でしたが、フレッシュで真の未使用の確信は有っても、右下の掠れが気になって飛び込めなかったのです。他のディーラーの手を経て、コレクターにプライベートで動いて、今のタイミングで弊社に来ました。カタログ値700万がベースなので良い数字で取引されたと思います。和紙2銭イは、極最近のE-bayでの掘り出しです。見つけた人が興奮状態でメールを送って来て、出品するのでギャランティーの数字を教えてくれとの話でした。ルックス良好なので、結構真面目な数字を教えました。ただ、お若いアメリカの弁護士君は私よりも随分と厚かましいセンスをお持ちだったので、アメリカの某オークションに出品したのです。私の出した数字を下支えにして、それ以上のリザーブドプライスを付けての出品だったのでしょう。結果は形式上はUS$8000、私の出した数字には遠く及びませんでした。だから必然的にUnsold、ペナルティーを払ったかどうかは知りませんが、日本切手の大珍品がアメリカのオークションで8000ドルで落ちて、それが落とした人により日本へ転売されました、というのは全く筋違いの話です。本来の持ち主がお馬鹿な寄り道をしたものの、結局は賢明なマーケットへの提示になりました。
この2点、出品者は違うのですが、何れも売り切り前提の最低値一任での出品です。クオリティーは悪くはない、でも今の日本の状況では1枚に700万・500万という型録値なら、グロスの値段が勝ちすぎて、オークションベースではかなりの足かせになるのです。物の実力と、2011年の国際展でトラディショナルの大金賞を狙う人の必要度を秤にかけての、売れてくれよのお買い得な値付けです。
このクラスのマテリアルを完全な一任で受け付けて、売ることが出来ないのなら、オークショニアは切腹でしょう。出品者の思惑も飲み込んでの設定した最低値、反応は悪くはないのですが、日曜日の午後5時に判決の時を迎えます。種のない手品の結果はフロアに来て体感して下さい。

2009年5月27日(水)

『1次昭和10円貼日泰航空カバー』
時を経て、極当たり前に毎年の春と秋、多分1年に5~6回はヨーロッパのオークションハウスを回っていたのです。チューリッヒとハンブルグがメインで、届いたオークション誌を広げて、その前後にセールと場所を選んでのユーレイルパスで回っていたのです。アポ取りの下見も含めて、1週間の旅で7~8社はカバーできていた時代です。Japanが出ていることは確認済みだし、スイスのメジャーなオークションハウスはセールの日程を調整してくっつけてくれていたので、場への出席は無理でも、下見さえすれば、セールでも空振りはなく、1回の旅でJapanのみで500~1000万は買えてました。その時は何時もの想定のルートの予想外というか計算外のカタログが届いてました。
パラパラめくって、モノクロ写真のページで見つけたのが、「1次昭和10円、1円、4銭貼の航空便 ロールKOBE」、20通ぐらいの同種のカバーのExample、参考値は50マルクぐらいでした。Frankfurtの Rudolf Stelzer、A5サイズのオークション誌は結構分厚いけれど買った記憶はあまり無いのです。でも丁度タイミングの良い日程なので、フロアに出席出来たのです。ドイツのこのレベルのオークションハウスの場合、出席者はまばらです。エージェントを除けば10人いるかどうかで標準。ビッドするのは1ロットなので、英語のコールはリクエストせず、ドイツ語の読みでOKでした。落とす自信は有ったけど、それ以上のあっけなさ。確か85マルクで落ちました。発着が同一人の同系統のカバーロット、日泰航空でしたが、10円貼は1通だけ、料金で10円超と5円超は複数あったけど、それらは昭和の1円か昭白1円の多数貼ばかりでした。
このカバーの行く末は、最低値40万で出品して、西の国のベテランのカバー好きのコレクターの100万超のビッドを、わざわざフロアに来てくれた東の国の昭和切手のオーソリティが跳ね除けて、20年はコレクションとして、雑誌に発表して楽しんで、一昨年のJAPEXのフロアセールに再登場したのです。時の洗礼を経て希少性の裏付けもあり、まともに踏んで、200万位かなが下馬評でしたが、強い代行札を預かっていたので、最後の競争者に「コダマ!降りろ」と叫んだ甲斐もなく聞こえないふりをされて、随分と立派な値段で落ちました。私の評価は、買った時の雰囲気からして、日泰航空・・、一杯あるはず・・ですが兄弟カバーは出てきません。
フランクフルトのセールが終わっての出来事です。望外の結果で余韻に浸っていたら、人懐っこい若いインド人が声を掛けて来たのです。ワールドのロットに、Japanの初期の葉書がまとまって出ていた。なぜそれを買わなかったのかという問いでした。組合カタログを見せて話をして分かったのは、紅枠使用済が5~6通有ったとか。でも、Japanを強調してあるロットなら兎も角、ワールドワイドまでは見ないのです。
そして、数ヶ月後にひょんなところのカタログに、それと思しき紅枠が纏まって出たのです。ベルリンに壁が有った頃の、向こう側で行われた、Wolfgang Jakbeckのセールです。私はフロアに出ないけど、エージェントに頼めるのでこの条件は大歓迎。限りなく安く全部買えたはずなのです。JakbeckはハンブルグのPoststrasse17に事務所があり、第一回のセールで、竜1銭2枚貼 KG越後高田のカバーがでて、それ以降一年に2回、ほぼ皆勤で下見に行っていた、相性の良いオークションハウスでした。オークショニアのポリシーでしょうか、出品物に品があり、安~い参考値に、下見して目一杯のビッドをして、それでも買えたり負けたりで、オークションハウスとしては、かく有りたいと目標にしていたのですが、どういう事情か分かりませんが、東ベルリンでのセールを最後にしていつしか業界から消えました。そして、フランクの駅の裏の操車場のそばのStelzer、2008年に破産してオークションが続けられないとの記事をどこかで見たのです。声を掛けてきたインド人は、是非家に来いと誘われたので、アムスの税関でトラぶりながら通関した、土産の「日本人形」を持参して、南ドイツにまで出向きましたが、ビジネスとしては完全な空振り、でも、CorinphilaでもRappでもFeldmannでもKoehlerでも必ずと言って良いほどに会うのです。私は全く近寄らないけど国際展にもブースを出しているし、仕入れの為にオークション皆勤というのはビジネスは上手く行っているのでしょう。死屍累々のオークションハウスに対峙するにつけ、逞しきインドのパワーには感心させられます。彼が今まで続いているのは、変にJapanに踏み込んでこないからかも知れません。
5月14日のスイスのセールで、竜500文貼のカバーがS.Fr80000=800万++で落ちました。詳細は次回に・・・。

2009年5月26日(火)

『大正白紙25銭単線12 未使用』
J.& H. Stolow の名前にはほろ苦い思い出が付いて回るのです。どなたの文章だったかは忘れましたが、確かヒロユキ・カナイさんが、かの事務所を訪れた際、金庫から英領ギアナ1セント=世界一高価な切手を取り出して見せられたとかの記事を読んだ覚えがあるのです。ニューヨークの事務所主催でのフロアオークションは盛況で、弟はミュンヘンの一等地での店頭販売の店を持つ、当時はステータスの高い商売をしていたはずなのです。
私のこの会社との実体験は、矢鱈と暑い時期に見た、手彫の写真が数十頁続いていたオークション誌、洋桜2銭カナ揃いの写真が出て、不統一がチラホラと・・。その類が数百ロットはあったはずです。この当時でも、私は海外へのメールビッドで、小判以降は結構買えてました。ただ、手彫は落ちないし、このボリユ-ム大のセールにも然るべき人が場に出ていたのでしょう。手彫系は掠りもしなかったはずなのです。その後も極当たり前にオークション誌は来ていましたが、いい買い物をした確たる記憶はありません。そして、いつしかフロアセールが無くなって、或いは並立だったかも知れないけれど、GoldMedal Mail Sale の名前でのメールオークション誌に業態を変えたのです。
コレクションや高級品でなく、スコットアルバムを崩したような単品を写真入りで載せているセールでした。このパターンの場合、基本的に買い気がそそられる物はないのです。小売りと同じ意味なので、評価ミスで抜ける要素は少ないし、目が覚めるようなバラエティーなど1種1枚が分母の場合、普通は有り得ないことなのです。但し、白黒でも写真は非常に鮮明なので、物が有れば見落すことも有りません。そして、奇跡が起きたのです。 記事はSc.124 ヒンジの有無のマークが有って、スコットのカタログ値の記載だけ。今も昔もアメリカのオークション誌での単品の1点売りの当たり前のパターンでした。そして一目で分かる単線12、センターもフレッシュ度も何の問題も無いVFのコンディション。 オークションのカタログで見つけはしたものの、問題は完全なメールセール、テクニックの使いようの無い、ただ数字をビッドしての高い安いが全てのルールです。今なら、少し努力をするかもしれないけど、この時は売れる値段を踏んで、逆算で目一杯入れるだけ。25銭の単線12なら、使用済でもかなりの物、それのユニークな未使用なので、100万円をベースにした数字を出したはずなのです。その値段で落ちれば厳しいけど、人より上でなければ負ける。メールセールでもオークションなので、ゴミの値段で落ちる可能性も有る・・。コレクターは見てないはず、だからこの数字なら負けることはないはずでした。だけど結果は来なかった。即売誌の延長のメールセールなので、多分全体の落札結果表も出してないはずです。E-メールは勿論、FAXも存在してない時代です。電話をかける知恵も無く、ただ、○か×の結果を待つだけ。来ないというのは×なのです。
目一杯のビッドで負けて、それならそれは仕様が無い・・。直ぐに気持ちは切り替わるのです。ところが、次号か次々号に全く同じものが再出品されたのです。まさにその現物が・・。記事は前のまま・・。目打云々の記載も無く・・。再チャレンジでも全く同じビッドを、今度は書留郵便で送ったはず。そしてその結果は、前と同じままなのです。
私のビッドのマナーは物凄くまとも。何の捻りも入ってない。持ち主は当然ながら、オークショニアそのものだから、1番札だから、絶対に買えるとは限りません。入った札を見てもっといい客にプライベートのオファーでも掛けたのでしょうか。落札結果表も出さないし、任意の即売ビジネスだと思って見れば、高く入れても買えないことも無くはない。ただ、再出品というのが分からない。そして、このものの行方は未だに誰も知らないのです。見違えるはずはなく、物は確かに有った。ナイト・メアーの結末は永遠に謎のままなのでしょうか。そして、GoldMedalMail Saleは何時しか消え、かのStolowの名前を最後に聞いたのは、その甥がオークションのRingの一員として刑事被告人として郵趣雑誌の記事に現れた時なのです。
気分を変えて、少し遊びの情報を出しましょう。豊中市在住の故山本義之さんから、かつおつり(目打あり)シート=現在逓博にある・・を預かったとき、幾つか面白いシートの資料を貰ったのです。琉球の100円加刷とかと共に、大白の完セット「みほん」のシートも有ったのです。逓信省の資料で、門外不出のメモがありました。その目打は、5銭が13×131/2、10銭が12×121/2、それ以外が全て単線12、今単片で残っている結果のままの資料でした。大白のみほんは、発行時の局への周知用というよりは、黒表紙の見本帳用に使われてますが、その何れもが目打はここに書いた一種しかないのです。25銭のL12の未使用を望むよりも、「みほん」でちがう目打が出てくれば、結構珍しいかも知れません。新小判3銭や他の額面のP12の「ひらがな・みほん」がそれに匹敵するバラエティーなのですから。
次は、「1次昭和10円貼 日泰航空カバー」、フランクフルトの駅の裏、電車の音がゴトゴトと・・・。

2009年5月23日(土)

『菊50銭C12x121/2 未使用』
標記のアイテムは、あの当時は秘かにお持ちの方はいても、表面上は売買実績ゼロ、A先生も欲しいけどお持ちでないというパターンでの専門カタログの評価だったと思います。でも私としては、他の誰にも知られずに、何故か確信的にそこにあることは知っていて、絶対に落とせると思ってました。情報でも評価でも、取り扱うジャンルとしては菊あたりは結構自信が有ったのです。
ウエールズ=カーディフのWesternStampAuction、知る人ぞ知るレベルのオークションハウスです。何人かのブローカー的な日本人にとっては罪作りな、毎回連続して長~いディスクライブでのJapanの「コレクション」が出てました。このオークションハウスは最低値を指定しても不落の場合の5%のペナルティーを科さない、出品者にとっては有難い、応札者のとっては面白みの少ないやり方をしてました。長い目で見れば、オークションハウスとしては、このマナーは絶対に損するし、いずれは廃れるのですが。このやり方を認めるのは、当時のイギリスでは他にWarwickとGibbonsがそうでした。だから、この3社には、かのR.& S. S・・・・が腕によりを掛けて、売るために作った作品が毎回出ていたのです。もっとも、ここらの事情がはっきり分かったのは暫く先になってのことですが。
この時の少し後のロンドンのH.R.HarmerでのウッドワードのPostalForgeryを貼ったカバーの落札ちが、根回し、調整、談合一切無しのガチンコのビッドで、ほんの数百ポンド(下のほう)=スピロの偽物のシートよりも安かった・・事で分かるように、外国のオークションでは「菊」をまともに評価している人は皆無でした。しかも、50銭の目打は18完の一種として、完全に隠れていたのです。私の取り扱い品目はこの当時でもゼネラルなので、カタログをべースにはせずに、珍目打への評価は少なくとも日専++で平気に飛び込んでました。しかも、カーディフはウエールズ、ロンドンから数時間は掛かるのです。
この当時は、エージェントも使わずに、ただ単純にメールビッドをしてました。でも結構成果は上がっていて、Findでの掘り出しは極当たり前の如く、無競争のあっけの無い数字で落ちてました。だから当然、この50銭C12x121/2も幾らで買うかでなく、オークションの場に始めて売り物として提示したら、誰が幾らで買うのだろうか・・、確実に欲しがるであろう、A先生に誰がぶつかるのかが関心事でした 。
今と違ってビッドの結果は知れるのは、インボイスが郵便で来るのを待つしか有りません・・・。そしてこのロットに対する数字の記載はなかったのでした。暫くして、風の便りが聞こえて来て、当時有った銀座のサンフィラの店頭に、50銭C12x121/2の未使用が並んでいた。値段は・・・、一瞬で消えた・・とのことでした。問わず語りの情報では、キタゾノ君が、日本への帰国の前日に、たまたま「ロンドン」で開催されたWesternのセールに出て、そこでメールビッドと強烈に競って買ったロットの一枚だということです。実際、Westernがロンドンでセールをやるなんてことは有り得ないケースなのですが。普段の通りにウェールズでやっていれば、単なる未使用セットの値段で私の手元に来たはずなのです。切手に対する相性が有って、50銭のC12x121/2未使用には未だに縁がないのです。勿論掘り出し前提ですが、他額面は一揃い、多分2セットは只で手にしているはずですが、50銭に関しては最初の強烈な経験がずっと邪魔をしてくれるのです。
このオークションハウスでは、この直ぐ後、多分次回か次々回のセールに、葉書の書留年号2字AIKOKUMARUが出て、こちらはきっちり買えました。プライベートで収めた相手は既に逝り、現品はご健在な時点で引き継いでくれる方に渡ってます。50銭は時を経ずして、サンフィラのフロアセールにでて、A先生が大願成就、菊のC12x121/2を未使用で完集され、めでたく日専の評価も大いに改正されました。その後も私は掘り出しの経験はないのですが、プライベートの取引や、オークションへの他の方の出品物としては4~5回は扱ってます。世の中に結構な枚数は有るのですが、まだ欲しくてウエーティングリストが長いので、何れは掘り出し記録に載せられると思ってます。単なる記憶上の拘り以上の意味はないのですが、これだけ1枚抜けはシャクですから。
因みに、このWestern、その後の20数年の取引で、実際に買ったのはほんの数回、というよりも欲しい物が出たのが一度だけ、改色1銭ブッチの未使用が数十枚の桜切手のリーフに混じっていたときだけ。ただこの時は写真版に載ったので、セールへのビッドとしてはちょっと別のパターンになったのですが。そして時を経て去年のこと、P.A.Wildeから手紙が来て、WesternStampAuctionは消えました。
次回は大白25銭L12 未使用、面妖なメールセール、New Yorkの英領ギアナ1Cにも繋がる会社での出来事でし

2009年5月21日(木)

『ノスタルジー』
最近イギリスから届いた手紙を開いたら、オークションの廃業連絡、支払い済みのカタログ購読料の返金のインフォメーションでした。「Bonhams」というよりも、サザビー、クリスティーに続くステータスのオークション企業、Phillipsの切手部門のオークション業務を行っていた会社です。私にすれば、Phillipsの名前でオークションをやっていた時代のNew Bond の古~い建物、迷路状態の建物で、一人では切手部門には辿り着けないオフィースに強い印象が有るのです。オークションとしては、Japanの大コレクションの売り立てや、記憶に鮮明な大きい掘り出しはないのですが、カタログの編集方針が、全世界のコレクション・アキュムレーションをトップに並べて、しかも参考値の高い順にロッティングをしていて何時も同じスタイルの編集手法の印象が強いのです。押しなべて値段の設定は割安で、売りきりが前提なので、ここに出ている全世界のぶ厚いアルバムを買って、ページをちぎって国別に売れば結構商売になるので、イギリスを中心に世界中のゼネラルディーラーや、中小のオークションハウスの効率の良い仕入れのソースになってました。
売りの需要は引続き幾らでも有るはずなのに、買いの意欲が追いつかずに、ビジネスとして成り立たないとしたならば、業界にとってはいい話では有りません。
イギリスの切手部門のクラシカルな4大オークションハウスといえば、ギボンズ、ハーマー、ロブソン・ロー、フィリップスで誰も異論を唱えません。でもギボンズは出版・アルバムは残っても、オークションはWebが主体です。去年の旧小20銭貼りカバーの出品など奇跡的な出来事でした。ハーマーは経営がイタリア人だし、ロブソン・ローも2度名前が変わってます。そして最後がフィリプス・・・。
Bonhams=Phillipsに限らず、最近はオークショニアの永久的な廃業の連絡を貰うことが多いのです。私の経験を踏まえて、思い出深い経験を幾つか書いて見ましょうか。買った物、買えなかったものを含めて、殆どどこにも書いてないはずのお話です。
今回の弊社のフロアに出ている目玉が旧小30銭の11L、チューリッヒでのRobson Loweでのアレン大佐のコレクションに有ったものです。私はまだ、動いてなく、カタログをライブでは見ていません。でも、当時の新進気鋭のコレクターがメールビッドで落として、どこにも出さずに秘かに持っていて、直近にE-bayでもっといい状態の物を手に入れて、ダブったからと出品してくれたのです。何人かに聞きましたが、この直近の掘り出しに気づいた人はいないようです。
私の経験でも、30銭11Lは多分7~8枚は扱ってます。その内の3回は海外での掘り出しです。まだ直接外国に行く前に、メールで落としたロットに入っていたことも有るのです。確か1980年代の前半、最初に11Lを手にした頃、偶然にも他の目打の珍品の入手のチャンスが来たのです。目打の珍品で、当時はまだ表で売られた記録がなかったもの。菊50銭C12x121/2 未使用、大白25銭L12未使用、小判・菊・田沢を3枚オークションの表紙に並べて売ろうかなと思ったのです。1枚は既に手元にあり、後の2点も手を伸ばせば届く所に有りました。
『菊50銭・・・に続く・・・』

2009年5月12日(火)

『スタンプショー=ヒロシマ‘09 ドラフト詳細』
5月16日―17日に開催されます、標記催事に本年も弊社は出店いたします。一般販売品としては、小判切手の未使用・使用済みの新規商品を大量に増やしました。それ以外のジャンルでもカバー・単片類でOPP入りの新商品を1万点以上追加しております。
特別企画として、200ロットは「ドラフト制」で会場にお越しいただいた方なら、平等のチャンスでお求めいただけるように展示即売いたします。
初日=16日の10時~11時30分に、ご希望品に1点~何点でも投票していただき、第一位投票の方~から優先的にお求め頂きます。投票NOの若い札が優先になります。登録は10時~投票締め切りの11時30分を目途といたします。受付はご記名登録の後、抽選箱に「あ~ほの記号(30名分)++で各記号に1位~10位+の順位を明記した投票用紙」を入れてありますので、1回だけ引いて頂きます。ある品物にご希望のランクが同一順位の複数の投票が重なった場合のみは「あ>い>う・・・>ほ」の優先順位になりますが、通例は単純順位の若い投票が優先です。あ1位は全てに優先しますが、あ2位は、ほ1位に負けます。昨年の場合、あ1位と、い1位がかぶってしまい、い1位の方はご希望品が買えませんでした。上手な駆け引きで投票して下さい。
今回は特に、大量のU小判の未使用の即売の優先権を4ロットで出品しています。このロットに限り、複数の方にご覧いただけます。勿論若い投票をされた方がチョイスした後に2番手~3番手・・の方に見ていただきます。1ロットを15分程度の考えております。
商品のお渡しは、11時30分に投票を締め切って、落札者確定の発表は13時を予定しております。出来れば当日にお引取り下さい。何時もの通り、ジャパン・スタンプ商会の会員の方は代金後払いでお渡しします。次回に一部の対商品をUpいたします。