月別アーカイブ: 1月 2006

2006年1月28日(土)

 「新小判1円他貼りアメリカ宛カバー」
誰かが載せるかなと思って待ってましたが、動きが無いのでここで紹介いたしましょう。
PST(太平洋標準時)で1月21日の夜締切りのE-bayに立派なカバーが出品されてました。
新小1円、旧毛20銭3枚、10銭、2銭合計1円72銭貼りのアメリカ宛の重量便です。
料金は基本の20グラムまでが10銭、超過は20グラムまでごと6銭なので28倍でピッタリ合ってます。ポイントは新小1円のカバーとしてのステータス、櫛型印は珍しいけれど、 後期使用、これをプラスと見るかその逆かは好みが分かれてしまうでしょう。でも、新小のカバー揃いを目指すなら、他にないし、これはこれで十分利用価値は有ると思います。
落札額はU.S.$2712.03で、AGAINST(2番札=下支え) by 「いつもの人」で西の国のコレクターに落ちました。手彫だけでなく、小判のカバーと、欧文印の単片はそこそこ集めているのです。だから買った事は不思議でも有りません。それだけならば、良くあるパターンで、数字の評価ならこのカバーはちょっと安くて良い買い物かな?でケリなのです。でも、ちょっと後日談が有りました。
メールが来て、E-bayでこんなものを買ったけど、日本のコレクターから、あのカバーの消印はこの時代に使われて無いタイプの物、だから「Forgery?」と言われたけど、お前の意見を聞かせてくれ、という内容です。画像で見る限り、印色が少し赤みが入っているかなと思うけど、B欄左部の歪みは気にならないというよりも、むしろゴム特有の特徴だし、料金も宛名も全ての要素に何の問題も見当たりません。結論としては当然ながらOKの返事を送りました。アドバイザーの「栗鼠」くんも全く同意見でしょう。
クレームを付けた人も悪意では無いのでしょう。県名と名前が判っているので会員名簿を調べたら、しっかり載ってました。でも、親切心というには余計なお世話だし、海外の見知らぬE-bayビッダーにする忠告としては無責任のそしりを免れないのでは。それにこのカバーへ入札した人は、落札者以外に名前が残っただけで9人いて、1人を除いて日本人、全員が評価は3桁、私的には当然IDと名前(大部分は顔も)が一致する達者なお馴染みさんばかりなのです。あの連中がE-bayのFaked Cover に引っかかると、それは「人が犬を噛む」ニュースで面白いのですが、そんな奇跡的な現象は狙って出来ることではないのです。

2006年1月6日(金)

「日本海航路船内印」
新春の第1回目のネタは、予想外の「再会」から。
1月12日開催のCHERRYSTONE PHILATELIC AUCTIONEERS に出てました。Lot 2312・2313、年号2字のGAISENNMARUとKOTSUMARU写真と記事は画像を見て下さい。
殆どのの方がご存知でしょうが、この2点、昨年9月3日に東京で開催された、フロアセールの現物で、それぞれが65万円と45万円、+15%の手数料で落札されていたものです。
フロアでビッドした人は、数字を預かった「代行」で、当然ながら今回のアメリカへの出品とは何の関わりも有りません。それに、この類の「JAPAN」を、日本のフロアで落として、アメリカに出品して、往復の手数料を支払って更に商売的に儲け切る、というビジネスモデルは無理でしょう。では何が起きたのでしょうか。
東京のフロアでのビッドの依頼はイギリスから為されてます。それ以前の幾つかのデータから、所有を希望したのは、ロシア船内印のコレクションで国際展での大金賞の受賞暦の有る、90歳に近いご老人、処分の勧めが有っても、これしか楽しみが無い的に、売りもせずに買う一方と、現地でも話題に上る方でした。代行は、共通の知人が間に入って為されてます。あの時は本当に、年号2字船内印が一杯出て、値段さえ問わなければ、選び放題で買えたのです。当時の私の情報で、買えてオメデトウ、でも入手出来た喜びの余り、即遠くへ旅立って、物は親しいイギリスのオークションへ?みたいなことを書いたのですが、まさかそれが当たったのでは無いでしょう。
日本のセールが9月で、夏のバカンス明けに動いたとしても、オークション誌の発行のタイミングを勘案すれば、正に即行でなければ間に合いません。
転売前提での入手でも、遺品の売り立てでも無いとすれば、可能性は絞られます。代行者は、数字にのみ支配され、その通りに動いただけなので何の責任も無いでしょうし、売ったオークショニアも何らのタッチもしてないはず。本来の依頼者の「ロシアのお爺さん」と好意のみで「マイ・フレンド」の希望を叶えてあげた、仲介者のどちらかに何かが起きてしまったのでしょう。
CHERRY・・・の場合、参考値=最低値なので、日本からのビッドは望み薄、でも今までもロシアの葉書に朝鮮の△SHIPで予想を上回る落札も有ったので、日本人の知らないマーケットが有るのかもしてません。外野としてちょっとは気になるセールです。

Lot 2312・2313(164KB)