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那須浄説エンタを解析する。

2015年の事でした。ダンボール50~60箱位の、初いエンタのロットがやって来たのです。出所は京都堀川六角の金融業者の御屋敷で、そこを解体するに当たっての費用とバーターで、都の旧知のブローカーさんが手にした物でした。相談されたので、オークションで生きる物は抜いてオークションに出し、残りは一括で買い切ることでまとまりました。年賀状は一切無し、年代的には旧小判から田沢で、見るからに初出し、状態も概ね綺麗な物でした。こちらで人を使って物をピックアップ、オークション分だけで想定に金額に達しました。雑多な嵩張るジャミは、箱単位で潰しました。残した物は一括りの、U小判から菊の時代の、同じ性質のエンタだけになったのです。見るからに面白そうなので、この山だけは、時間を掛けて料理することにしたのです。状態が今一な物は、ロットの餌にしています。だから残した物は、台も消しも十分に単品売りに耐える物だけになりました。200~300通の、金融屋さんが切手を貼らずに差し出した貸金の返還請求の戻り便なのです。郵便条例時代=明治16年1月1日~33年9月30日に完璧に区切られるし、郵便の制度としても、紛れる要素が消えて、説得力の有る運営が為されていた時代の物なのです。ボタと◎時代=明治21年8月以前は、数も少ないし、使われ方も面白い物は少数です。だけど丸一の時代になってからは、あらゆるパターンが揃っていたのです。想像以上の面白い山だったのです。幾分かは、オークションで売りましたが、残りをじっくり料理したので、その報告を書いてみたいと思います。

切手を貼らずに差し出した借金返せのお手紙です。未納の倍額を払って、名宛人が受け取った物はここには有りません。受け取り拒否と配達不能で那須さんに戻された物ばかりなのです。まず、根拠法令を書いておきます。郵便条例です。

第21条 「未納又は不足の郵便物を受け取る際には、受取人よりその額の2倍を徴収する。受取人が郵便物を受け取る際には、その納税を拒んではならない。」「受取人が郵便物を受け取らず、差出人に還付する時は、差出人よりその額の3倍を徴収する。」

第22条 「未納又は不足の郵便物を配達できず、差出人に還付する時は、その額の2倍を徴収する。後略。」

実際上は、切手を貼らずに差し出すことは極めて稀だと思います。未納・不足で括っても、圧倒的に不足が多く、結果としての未納でも、意図的な無切手差し出しは一般人には出て来ない発想だと思います。マーケットに有る未納便も、このパターンでなく、法規を取り違えたミスによる物が多いのです。那須エンタの、未納郵便=受け取り拒否便には、目から鱗ネタが一杯含まれているのです。当時の京都郵便電信局が、那須さん技対策としてわざわざ最初は21条の付箋を印刷して、後には22条のそれも作ったと思える節が有るのです。郵便条例時代の受け取り拒否=21条後半部分と、22条の未納の還付はほぼ完璧にアナライズできるのです。京都発なので、管内局のバラエティでも「一ハン」プラスになるのです。ここらは、後ほどのお楽しみです。数回にわたって書きますが、お二人から貴重な示唆を頂きました。片山七三男氏の「差出人戻しの料金徴収方法」のリーフと、古家美和氏の新大門会資料「郵便条例時代に未納郵便物について」です。

PA106回の直前情報です。

明日・明後日のフロアセールの準備完了です。フロアのスタート値もUpしています。今回は、当初からメールの札の来方が好調で、今の時点での受け付け番号が600になりました。何時もより30~40件は多いと思います。今見られるデータとすれば、フロアセールのみなのですが、出品点数3338、最低値合計42,291,400円が、ビッド有りのロット数が2123、スタート値の合計が52,780,750円になりました。この計算式は、未入札とビッド1は最低値、ビッド数が2以上は2番札の一声上の場でスタートする数字の合計です。現時点でビッド有りは63.60%なので、フロア終了直後の暫定落札率で70%、不落札の即売と返品を処理して72~73%だと思います。メールセールのデータは、今は全く取れないのですが、フロアとそれ程大きい差は出ないと思います。

フロアのスタート値と最低値の差、1000万円+が、現時点での値段の伸びの数字です。未入札で場で売れる物の金額と、場で手が挙がって競り上がる数字の合計がオンされますので、不落札の最低値を差し引いて、結果としては、フロアセールでのスタート値の合計額近辺に、ハンマープライスの合計が収斂すると思います。目玉品にもそれなりにビッドが有りますのでセールトータルとしては賑やかになりそうです。

年賀はがきの小型シートとルイスカバーのセール情報

直近のニュースをお知らせしましょうか。よく聞かれるのが、今年の年賀の小型シートが無いか?です。去年の11月の時点で分かっていたことなのですが、JP(日本郵便)が、年賀状販売のノルマを一切やめたのです。言葉を変えての、ノルマでなく、到達目標としてやってくれ、という変な逃げも打っていません。それ以上に、年賀はがきが発売されて、翌日に金券屋で安売りされることを報道されるのが嫌なのでしょう。相当にキツイ通達を出して、4000枚の葉書の外箱のくじの番号を記録して、トレースして実需で無い流れを見つければ、コンプライアンス違反で処分するとまでやったのです。その見返りが、ノルマ外しなので、今年の年賀はがきの流通は、劇的に変わったのです。私がお付き合いしていた局員(正確にはより高い立場の人)は、一切頼んで来なかったのです。売り上げがどれだけ落ちたは、情報が無いのですが、半端な数字ではないでしょう。実際に大阪の金券屋の相場では、額面62円の年賀はがきに買い入れ値が59円、売りは必然的に60円か61円だったのですが、玉は全く集まって来なかったと聞いています。

必然的に影響を受けるのが、当たりの小型シートなのです。初日に必要な人は、目を瞑って葉書を買うので手に入るのですが、年賀はがきの局員ノルマ達成のためのお付き合いで生まれていた物がゼロになったのです。私の方は早い時期に、供給不可の情報を流したのですが、皆さん甘く見ていたのでしょう。今になって探しているニューイッシュー屋さんもいるようです。30年ほど前には、海外からの注文を満たすために、交換開始からの期間限定で随分高い数字の買い入れ相場が有りました。最初は高くて、遅くなれば額面に近づくのです。オークション屋さんも誰もが情報を出していたので、随分と高いプレミア付きの需要が有ったみたいです。何時の間にかこのパターンは消えたのですが、余程年賀はがきが余って、当たりも手に入れやすくなっていたのです。来年以降も今の情況が変わらねば、小型シートへの買い入れ広告が堰を切って氾濫するかも知れません。まさに需要と供給のメカニズムでの現象です。

 

直近に手元に届いたのが、ルイスカバーの特集号のオークション誌です。プライベートでの一括での取引の可能性も有ったのですが、香港のセールで売られることになりました。日本がメインですが、諸外国のそれが必見です。日本は、乃木の10枚貼りと、台湾の次高タロコ=牛車図案と国立の小型シートは有りません。375ロットのコレクションにも、無い物は無いのです。

ちょっと寂しい気持ちになるのですが山デブ君が生きていればどんな反応をしたのかな。ルイスといえば、数年前のヤフーでの一大ブームが有ったのです。その時に上手に煽って、大儲けした人たちが、2匹目の泥鰌を狙ってビッドするのでしょうか。ケガをしないように注意した方が良いのです。私はギャラリーとして楽しみたいと思います。満州・シャム・トンガ・パプア以外の物など、本当に少ないというのですが、ヤフーの転売屋さんが儲けるには難しいテーマなのですよ。

ルイスカバー-0001

Lot812 1次国宝八角三重塔 色抜け W.D.にします。

PA106回=通算198回の表記の出品物ですが、複数のルートからご指摘を頂き、調査の結果、変造品だと確信いたしましたので、セールから取り下げます。

画像の3点の内、左部の2点は今回の出品物です。ルーペで見ても、黄緑・黄色・茶色の3色の痕跡は有りません。但し、黒で印刷された塔の図案の一部にカスレが見られます。情報としていただいた、プラスチック消しゴムでの時間を掛けての変造の可能性が強いと思われます。

右端の物は、直近に、自分が作った物だとして送ってくれたものです。若干の疲れと汚れが有るのですが、比較的容易に手に入る、有機溶剤に浸したらこうなったとの事です。この溶剤は、糊には影響を与えません。紙が少し影響を受けたように見られるのですが、グラビアと凹版印刷が組み合わさった場合、グラビアは抜けて、凹版は残るとの事です。グラビア印刷の場合は、全部が抜けて真っ白になるのかも知れません。

20190213161918-01
同種の物が現れた場合の参考としての情報を開示いたします。

物通と通信のトラブルです。

今年も押し迫った来ました。年が明けての2019年のオークション業務の年度計画も確定しています。原稿の入稿日を決めれば、リンクして自動的に発送日が確定します。次は1月25日が入稿日で2月7日が発送です。それが終われば、突然の思い付きで決めてしまった、5月のオークションの出品受け付け停止期間に入ります。フルに3か月あるので、溜まりに溜まった塊を一気に解しにかかります。3か月のフリーハンドをやりたいことに最大限利用したいと思います。その後は12月のセールまで普段のペースに戻ります。2020年からは、オークション誌の発送を1週間早めます。業務は一定の流れで来ているので、突然の変更は無理なのですが、全てのスタートの出品受け付け締切を1週間早めれば、その後の作業が全部1週間早くやれるのです。オークションの業務は行き当たりでなく、デッドラインを決めての逆算です。発表すれば必ずやり抜ける物なのです。

最近とみに感じるのですが、色んなケースで矢鱈とトラブルが多いのです。12月のセールで、発送したオークション誌が届かない事案が起きました。不着の連絡を貰えば、則事故調査の申請を出します。弊社の発送は、「特約ゆうメール」です。遅延承諾が掛からない、第1種定形外扱いです。北海道と沖縄は飛行機で、東京は銀座でなく新東京に入ります。普通は3日で付くのです。連絡を貰ったのが郵便番号36・の人、この番号なら新大阪から熊谷局に流れます。1キロ位の冊子なので、36・に該当する方が10名です。5名で一束で出すので、纏まってどこかに消えている可能性を危惧したのです。名簿と電話番号の一覧表を添えての事故調査を依頼しました。結論は、お申し出のあった方お一人だけには着いていない、他は問題ないとの事です。昔は調査して分からない場合でも、書面で報告が来たのですが、最近は電話でケリになっています。ここでもJPの仕事のレベルの劣化は著しいのです。このケースは、該当の会員さんからギリギリに間に合うタイミングで連絡を貰ったので、再発送が間に合いました。弊社の場合、タイムテーブルを発表しており、それを必ず実行するので、おかしいと思った方は是非連絡が欲しいのです。

逆のケースで、弊社宛の郵便物で不着が起きました。12月14日と15日の私書箱宛ての郵便がゼロだったのです。オークションは終わっていますが、普段のペースなら毎日5~10通は来るのです。そして、事故の確証も掴めました。「ゆちょ銀行振替口座」の報告書の連番が1件飛んだのです。12月12日付で25件の入金の報告書です。このケースは、貯金事務センターに連絡をすれば、再発行して貰えるのでご迷惑を掛けることは有りません。でも、私書箱へ入るべき手紙の束が、別の人の箱に入ったか、郵便課から私書箱へ移す段階で纏めて消えている可能性が有るのです。特に気になるのは、2019年のオークションの会費を切手代用で送金されている方の手紙です。振替の報告書が消えているのは確実なので、一緒に無くなっている可能性は大いにあるのです。近日中に、会費未納の方へは再度の連絡を出しますので、12月12日~14日に差し出された方でそうなっていれば至急のご連絡をお願い致します。大阪貯金事務センターは天王寺です。弊社の私書箱は大阪北です。この間というか、恐らくは大阪北の中での事故だと思うのです。10日前に101号の調査請求を大阪北局宛に出したのですが、未だに連絡が有りません。

12月のオークションで、ビッドに関して何件かのトラブルが起きました。宮城県岩沼局の駅前のポストに投函した封筒が、投函日の5日後の引き受けの消印で届いたのです。随分と強いビッドで余裕で落ちるはずだったのですが、締め後到着で無効になりました。ポストから、自動取り揃え押印機に順調に流れなかったのでしょう。残念でなりません。物流以外の通信のトラブルも良く起きるのです。Faxの送信で、裏表逆送が毎回3件位はあります。また、2つに切れたり、判読不能のケースも有るのです。ヘッダーに発信者の番号が出ていれば、気が付いた時点で連絡をしています。でもこれが無いとどうにもならないのです。エラーは起きるのは常連さんが多いのです。ヘッダーに番号表示か、然るべきタイミングでの到着のお問合せをお願い致します。

E-メールの事故も起きるのです。当方には確かに届いています。この場合、営業時間中に速やかに、Reで到着の連絡をするのですが、このReが届かないことが結構多いのです。特に、プロバーダーがaolは、ほぼ例外なく戻って来てしまいます。それ以外も、気まぐれに届いたり、届かなかったり、機械的に100%駄目な人もかなりの人数でいるのです。一番まずいのが、ビッドを送ったのに、返信が無い、この問い合わせを同じメールでやる人です。こちらは、Reで返し、それが戻って来てしまい、お怒りの問い合わせがやって来る。またReで返し、届かない、「山羊さんのE-メール」になるのです。ひと手間掛けてFaxか電話でお問い合わせください。

アメリカからの出品者でした。物を送って、Webで当方が受け取っているのは判っているのです。でも、Eメールで着いたか否かを聞いて来るのです。当然こちらは返事をします。Reで返すけれど、aolなので届きません。次の日も、その次の日も同じことの繰り返しです。毎日、何回目の問い合わせだが返事がないと数字を入れてくるのです。怒りの度合いが増してきます。Faxも電話もわかりません。ついにこっちも切れて、FedExで送りました。戻って来たEメールの通信記録をです。返事したけど戻って来たことを証明せねばなりませんから。

オークションでは色んな事が起きるのです。言っても無駄だとは分かっているのですが、メールの締め切り日当日のビッドの嵐、何とかならないでしょうか。平均でメールビッドは600件ぐらいですが、200件は最後の1日に集中するのです。作業は十分に出来るのですが、トラブルが起きても、救いようがないのです。何日が余裕が有れば、連絡の仕様も有るのですが、タイムリミットが来れば、一切の救済の手続きは取れないのです。早めのビッドのアドバンテッジも同値先着しかないのですが、遅めのビッドには何の利益も有りません。ビッドの秘密は、早くても遅くても守れる確度には何らの差も付きません。想像力を働かせてオークションをお楽しみください。

額割れの相場が下がります。

既にご存知の方が多いと思いますが、明年1月1日から、郵便法=昭和23年12月12日;法律第165号に定められた、郵便物の料金の内、「割引が適用される郵便物」の支払い手段から、「郵便切手」が除外されます。この件に関しては、郵便法28条・内国郵便約款42条の規定があり、今回の決定はそれに反していると考えておりますが、その件に関してはここでは触れません。もっと現実的な事象を検証してみたいと思います。ここ数週間で、マーケットでの額割れ切手の歩率が目に見えて下がって来ております。月が替われば、更に顕著になると想像できます。

現状の最高値は、1000円富士と、82円さくらで、シートなら96%で売れます。1000円切手の場合は、5円の手数料で、どの額面にも代えられるという意味での高値です。この分の需要のメカニズムは、郵便局で買えば100%の物が、金券屋で若干安く買えるというマケットの原理に依ります。この事実は、1月1日からの、JPの変更の影響は受けません。若干安くなるかも知れませんが、買い入れ値ベースで、93~94%位で下げ止まると思います。

問題は、記念切手と、台紙貼の別納用の相場です。直近までは、大手業者なら50円額面以上のシートなら、需要に比して品不足気味で94%位で動いていたのです。本来のエンドユーザーさんも、DM発送屋さんも、2%位の鞘でも十分やる意味が有ったのだと思えます。割引郵便からの切手支払除外のプレスリリースが有り、期日が迫ってきたことで、ここに来て一気に相場が下がりました。85%がMAXです。この先どうなるかは読みづらいのですが、50円額面以上のシートに関しては、80~84%で止まるかと思います。その根拠は、1枚に5円払って交換すれば、1000円なり82円なりに替わるということからです。1000円切手が94%で売れるなら、50円切手に5円払い、1割コストをかけて、1000円に替えれば良いのです。大量差し出しの、割引料金での郵便物で無い、一般の実需は需要として残ります。低額切手も書損交換手数料に100%で使えますから、悲観する必要はないのです。

実際のところ、DM発送代行業者が、どれ位の金額を割引郵便の支払いに使っていたかは分かりません。JPが、法的な解釈で言えば、かなりの無理筋でやって来たのですが、民営化に伴っての引継ぎ債務=郵便切手で、今の仕事の代金を支払われる不快感と、現場での切手別納を使っての頻出する不祥事、それ以上に、員数チェックにかかる手間を何とかしたいという事で押して来たのかと思います。エンドユーザーが有って、DM屋さんがいて、金券屋が玉を集めての額割れビジネスですが、今後の数字を予想すれば、現金納付での割引率と、料金体系とすれば、割引は無いけれど、額割れで買えることによる経済的なメリットを秤にかけて動くことになるのでしょう。50円+の記念のシートですが、瞬間的には、オーバーシュートで80%に近づくかも知れませんが、居心地のいい数字は85%位かなと見ています。それ以上に、プレミア物、特に小型シートは悲惨で、カタログ値の10%を覚悟せねばならない位の底抜け状態ですが、引きは末端の需要が有るので、暫くすれば落ち着くと思います。今までがそうでしたから。

目から鱗の情報です。

今しがた、PA104回=JAPEX会場での特別フロアオークションのスタート値をUp致しました。メールビッドの応札数が435名、ビッド有りのロット数は約62%です。場での競りで70%近くには行きますし、不落札の即売を終えての最終のデータでは、72~73%位を想定しています。物は抜群ですが、優先順位で劣後して、札が入っていない物が沢山有ります。絶好のお買い得品をお見逃しなくご参加いただければと思います。

恒例の、一日限りの即売は、今回も17日の土曜日にJAPEX会場の台東館8階第2会議室にて行います。マジで新規に値付けしたエンタが15000点は増えました。時間の許す限りお楽しみ頂けるでしょう。17日土曜日と18日日曜日の両日ともに、PA105・MA92の全ロット(文献以外)を下見して頂けます。オークション誌は13日水曜日出しなのでお手元に届いているか微妙です。勿論会場にて進呈いたします。

このセールでも、面白い物が目白押しです。1点だけ紹介しておきます。PA105のLot5020【郵便切手に関する対総司令部関係書類】です。もろの郵趣マテリアルとすれば、2次昭和~3次昭和のみほん・見本を9種貼ったページですが、綴じられていた書類の文面が秀逸です。切手のコレクションには使えないでしょうが、歴史の資料として、表に出したいものなのです。コピーは不可なので、使える方に買っていただきたいと思います。

ご出品者から、「宣明書」を頂いています。実名はここでは伏せますがここでは、署名・捺印付きです。宣明内容は、

別紙の資料が妻の父(平成22年11月没)の遺品中に見出された物であること。妻の父が次の経歴を有する事。

昭和22年5月 連合軍 民間検閲部(初級検閲官)・11月 検閲翻訳官(検閲部本部:在東京)・23年3月 上級検閲翻訳官・昭和23年11月 逓信省入省 郵務局業務課(切手係・切手普及係)名称変更等により、昭和39年7月からは、郵政省郵務局管理課切手係、昭和42年8月 切手係長。

奥様は、弊社他ののオークションに出品された、素晴らしきFDCの宛名でお馴染みの、セキジュンコさんです。カシェ無しの白封を使われるセンスは大したものなのです。私はご本人がご健在中からのお付き合いで、30年近くお世話になってきた方です。中々に、書けないお話も有るのですが、差しさわりの無い範囲でちょっと情報を出しましょう。

平成24年頃だったと思うのですが、日本平24円シートを1枚入れた、贈呈用の茶封筒を出品してくれたのです。見るからに、パリパリの状態、シミ・シワの全くない完璧品だと見えました。完全密封なので、状態を見ることは出来ません。でも雰囲気でVF・極美と思えました。フル型以上の良い値段で売れた記憶が有るのですが、ビッドの際に条件を付けられました。封を切って、状態が悪ければ返品する、だったのです。こちらも自信が有ったので、拒否せずにそのまま受けました。返品されていないので、想像通りだったのでしょう。東北のお金持ちでしたが、風の便りで、ご逝去されたと聞きました。日本平24円のシートなど、マーケットに出て来ても足は付かないのです。でも、このマテリアルには、秘符が有るのです。

1958年と1959年を境目にして、記念切手の目打が抜けている方に、綴じ穴が有ったのが無くなったのです。私の見る限り、例外はないと思います。唯一の異常データが、100シートの完封=窓口で売られた物でない、1シートの贈呈品には、1958年以前の発行の物にも【綴じ穴が無い】のです。日本平24円を未・済で、目打の抜け方違いで4点お持ちの。「美封堂」さん、知ってたかな。頑張って探してくださいよ。

この事実のヒントをくれたのが、国体切手のコレクター、Dr.K.Inoue氏です。郵政省の高官の、膨大な未使用とみほんのコレクションが、横浜の解体屋さん→横浜の中国人のディーラー経由で今もヤフーに出ているのですが、水色勅額、茶摘みのシートに挟まれて、6・7・8・9回辺りの国体のシートが出たのです。勿論、袋入りとかの贈呈品で無い、単なる裸の1シートです。それを見つけて、綴じ穴がない!!を根拠にして落し切ったそうです。私の意見では、関さんから出た、日本平の贈呈シートと同じ出所だと思います。誰も知らなかった、珍品の出現でしょう。

 

 

能面70円色抜け 落札結果

右側銘付含む50Bは、3名からビッド頂きました。100万・120万・それ以上の一番値で、お買い上げの値段は、121万です。

左側5列は、1列から3列までで計6名の方から、延べで10列分のビッドを頂きました。25万円が6番札になりましたが、複数列ご希望の方で耳付のプレミアムのご提示が有りました。結論といたしましては、26万円以上でビッドされた方お二人に、26万円で一列を、82万円で左耳付3列をお買い上げいただきます。

多数のお申込み有難う御座います。ビッドをされた方は、全員弊社のオークションの会員様です。現品は来週火曜日に発送いたします。

能面70円色抜け 分割入札情報

予想通りなのですが、明後日15日の正午が締め切りのオークション、事前のビッドはおとなしめです。当日の11時以降が勝負なのが確かですが、郵便でのビッドはお勧めいたしません。勿論15日の9時の時点で手元に来ていれば大丈夫ですが、今すぐ投函しても、まず届かないと思いますが、救済は一切行いません。Fax又はE-メールでお願い致します。

現状では、右側50B銘付含むに、お一人、左側50Bを一列に分割に、4名で6列(お二人が2列で)のビッドが有りました。全ての席が埋まりましたので、今後は最低値が切り上がることになります。このまま、他のビッドが無ければ、右部は最低値の70万、左は6番札の1万円上の16万で落ちます。ビッドの方は全員が弊社のオークションのお客さんで有り、相場も完全にご存じです。オークションに出しても、この位かなと思っていた数字が入って来ています。ビッドそのままでは結構いい数字なのですが、値段調整を期待してください。ルール通りにやりますから。

ギリギリまで引っ張ってもメリットは有りませんので、そろそろ覚悟を決めてご応札下さい。ビッドを頂き次第、確認の連絡をいたします。

オークション終了のご報告

PA103・MA91が終了いたしました。具体的な結果は、ホームページをご覧ください。今回は、オークショニアとして曖昧に済ませていた部分を、クリアにして運営いたしました。従来は顧客利益を忖度して、便宜的に融通を聞かせたり、今回だけは、で妥協したり、ある意味物凄く優しく接して来ていたやり方を、厳格にルールに即して適用したのです。締め切り時間の厳守と会員外の入札の扱いです。

締め切り時間は、オークション誌に書いておりますし、当コラムでも、念を入れて間際に周知いたしました。にも拘らず、デッドラインを超えての入札が有るのです。前回5月のセールでも、正午締め切りの時間を若干過ぎてのE-メールでのビッドが有ったのです。入力の途中なので、何とか今回だけはで救済し、注意喚起をして、相手も謝って了承した人なのです。今回もまた、12時50分のE-メールのビッドでした。この学習能力の無さは、罪悪だし許せません。当然ながら、ビッドは無効にしたのです。ご本人はそれなりのステータスをお持ちだと思っているのでしょうが、それは勘違いも甚だしく、此のルール無視のマナーは社会的には通用しないでしょう。幾ら言っても分からないし、天動説を信奉する人なので、それを承知で対応するしかありません。今後の付き合いは正常には出来るとは思いません。裏切られたという思いの嫌悪感はかなりの物なのです。今日の時点での、締め切り時間後のビッドはあと3件ありました。26日の日曜日の朝7時のFAXでのビッド、メールの部分は有効ですが、終了済みの土曜日のフロア分は無論の事、セール開始前の日曜日の分も無効になるのです。後のお二人は、郵便で私書箱への出された方でした。8月22日の東京晴海の消印と、8月23日の善通寺の消印です。郵便局の人手の関係で、大阪北局の私書箱へ入るのは、深夜2時ぐらいの1回だけだと聞いています。今回のセールに於いては、8月24日のAM2時に入っていないと駄目なのです。弊社としては、24日の朝一に箱を開ければ、次に行くのは28日の朝になるのです。メールのパートはこれで十分に間に合うのですが、フロアセールのメールビッドは24日の正午が必着です。EメールとFaxは、ギリギリでも問題は無いのですが、郵便送付はリスキーです。定めた期日に手元に届いていなければ、何の対応も出来ません。これは幾ら口を酸っぱくしてお願いしてもダメなので、覚えてもらうしかありません。

もう一つの案件は、会員外での入札です。弊社の年会費は、5回のオークションで2000円です。誰が考えても超割安だし、経費には遠く及びません。でも、確信犯的にそれを払わない人がいるのです。オークショニアとしての利益を考えるならば、会員外でもビッドを受け付けて、品物は代金前払いにする、やるかやらないかは別にして、ビッドの扱いも、会員さんには2番値の上まで引き下げて、非会員には、その調整を行わない、という措置を取る手も有るのです。2000円の会費を捨てても、それ以上の金銭の負担を掛けるというやり方だって出来るのです。ビッドした人には分からないペナルティーを与えるという意味なのです。お馬鹿さんは想像力が有りませんから。でも、このやり方は、禁断の木の実を食べることになる。気分の良い物では有りません。今回は、4人の会員外のビッドを拒否しました。コピーを一杯請求して、ビッドはお付き合い程度の人、恐らくは見本誌を請求して会費を払いたくない人、後の2人は中国系、かつては会員であり、取引事績も有るのですが、現時点では会員外の方なのです。この二人の札を外したので、今回は新中国は滅茶安でした。黙って有効で受けていれば、下支えになって、数十万円はハンマープライスは違ったでしょう。でも、それをやってしまうとキリがない。目を瞑って切りました。今回からは、写真版をオールカラーにしたのです。Webでも、全ロットの画像が見られます。この前提条件ならば、会員でも会員外でも、何の差も起きないのです。必ず、会員外のビッドが入ってきてしまいます。会員登録=本人確認せずのオークションへの参加は、古物営業法の規定で許されません。ネットカフェからのなりすましのビッドも有り得ます。そのリスクを消すためには、会員外のビッドは、機械的に断るしかないのです。次回以降は、もっと厳しくやらねばと思っています。ルールを定めてシステム化すれば、オークショニア自身が厳格に守らねばいけないでしょう。金銭的な利益以上に大事な物が有ると思います。