Lot1036の【かつおつり】ですが、オークションでは人気銘柄です。ヤフオクでの落札実績の50~70万はちょっと無茶ですが、押しなべて20万位の落札値は当たり前かと思います。でも、私にはその値段を率直に受け入れられない理由が有るのです。印象深いディールが、ある種のトラウマになっています。このアイテムの素性はしっかりした文献も出ているので、そこに記されている事実はさらりと流します。私しか知らない秘密を開示いたしましょう。世に出たシートは無目打のプルーフが2シート、目打・糊付が2シートだと思います。2種セットで郵政博物館=ていぱーくに入っています。時系列で並べて見て、目打有は昭和41年に新生スタンプが@35,000円で分割して分譲、超有名なお話で、一般的に【かつおつり】とはこの品物を指すのです。時代が下がって、無目打は郵趣サービス社が分割分譲しています。こちらの出所は元参議院議員の千葉在住の保家さんの物でした。動いた値段と仲介者については私は知りませんが、サービス社が社運を賭けて勝負して見事に勝利したと思います。買い値も、売値も随分と立派な数字だと聞きました。両方共にこれ以外は有り得ないので、今流通している物は、シートを分割しての販売品なので、全て鑑定書付のはずなのです。最重要のファクターは【透かしが無い】ことなのです。透かし入りは100%偽物です。無目打の銘付10Bが鑑定書付でマーケットに出た事が有り、弊社にも出品物として来たのですが、これは鑑定委員会のチョンボでしょう。暫くうろうろしていたのですが、お気の毒な所有者も納得してくれたと思います。

【かつおつり】は何といっても、山本義之さんなのです。私がビジネスに於いて最も強く感化された先達です。昭和天皇ご誕生の1週間後に生を受け、御崩御の直後に黄泉の国に立たれた、昭和の時代を過不足なく過ごされた方でした。私が知遇を得たのは最晩年の3年ぐらいでしたが、濃密なお付き合いをさせて頂きました。収集テーマは3つでした。「シート」と「みほん」と【かつおつり】です。根幹のコレクションの昭和~透かし無のシートは、私が知遇を得る前に、金井スタンプのオークションで売られています。産業・透かし無の高額も当然ながら入っていました。買ったのが業者で、ばらして売ったので今は残っていないという評価は暴言で有り、持たぬ人の無知さ加減を示しています。著作物で文字にする場合はこの程度の情報を見落としていては著者本人の功績に傷が付きます。狭い範囲での情報を過信してはいけません。今どこに有るか分からないから自分が持っている物が最大の物だという考え方は絶対に取ってはいけない思考法です。
昭和60~62年頃なのですが、山本さんからお呼びが掛かって、手元に残ったシートの処分を頼まれました。1次円単位1円~500円だったのです。目打形式に着目したシートコレクションでした。今のような体系立てた分類での記事はカタログには出ていません。おしどり5円が白眉でした。時期がまちまちなのが瞬時に分かり、見るからに面白そうだったのです。勿論出品リストは有りません。でも的確な目印が有りました。耳紙に書かれた鉛筆書きの矢印です。正・逆・1段・2段・4段抜けでの分類です。普櫛・逆櫛・全型は問題ありません。連櫛の分類手法を示してくれていたのです。3版・普櫛180線・正一連1あたりも有ったと思います。この時点でのビッダー=現行切手のコレクターは今は何方も残っていないのです。時代がコレクションに追いついていませんでした。その後の現行ブームの値段は勿論、落ち着いてしまった今の値段に比べても、一桁安かったと思いますが、見様見真似でやっつけたのですが、その時点での私の仕事には喜んでくれたのです。値段は二の次でした。ご自分の分類手法を世に出したくれたという事実でのご満足でした。2次円単位以降と、昭白以前のシートはその後にオークションで売ったのですが、こちらは記憶は残っていないのです。記念切手は冠10銭と日清5銭の片っ方、トンボの1.5銭が抜けていました。これはディーラーへの一括オファーでケリでした。みほんは、最後まで持って置くと言われて、処分の対象からは外れました。5年ほど前にご長男さんから声が掛かって、本に使った昭和以降は丸ごと私が買い取りました。明治・大正は本に使った写真は有ったのですが、現品は見当たらず、殆どが何方からからの借り物で当然ながら返却済みだったのです。みほんの2冊の研究書に書かれているデータで、1次昭和~2次新昭和の頒布数が200~300になっていることを根拠に、発行数をその数字だと引用している人もいるのですが、それは正しくありません。山本さんの書かれた公の頒布先からは1枚もマーケットには出ていないのです。市場に流通しているこの時代の物は、中村宗文さん、関雅方さん他の郵政関係者と在日米軍関係者、それ以前からの海外への輸出分などなのです。私一人が扱った物の数から判断して、製造数は一桁多いと思います。昭和の物に関しては、山本さんの研究を超す物は出ていないのですが、手彫~菊は、新たな発見も出て来ています。詮無い事なのですが、私が手にした物を現役時代の山本さんに提示して研究をして貰えれば、この分野の分類手法がガラリと変わったかも知れません。新小判の目打12のひらがなみほん、字入り偽加刷の台湾見本などクリアな意見を貰えたかも知れません。問わず語りの会話の内で、私が青島軍事より、旧毛軍事の山東省使用の方が少ないかもと言ったら、随分褒めてくれた記憶が残っているのです。
最後の仕事が【かつおつり】のシートの処分の依頼でした。これだけは、まさか売るとは思っていなかったので、気持ち的に何の準備も出来ていません。山本さんの買値が100万円、もっと高かったのが、スポークスマンの中井輝典さんの酒代でこれも100万、昭和30年代なので、今とは一桁違いかと思います。処分のご依頼は昭和62年か63年のどちらかです。ご希望値段は1000万でした。楽では無いのですが、それを基準に画を描きました。41年の新生スタンプの分割@35000円を基準にしたのです。話題性が有るし、銘柄としては良い物です。分割で@10万円、銘付とコーナーのプレミアムをみて、若干の手数料を頂いて、残った場合は値引きでの買い取りで、ご希望に合わせてのプラン化しました。速攻で、ノーの返事でした。切るに忍びない、切ったら恨んで化けて出てやる・・。このハンデはきついのです。一括で買ってくれて、しかも切らないことを確約してくれる相手を探すのです。極めて限られてしまうのです。雑談レベルで話をしたら、可能性が出て来たのです。逓信博物館なのです。私は直取引できません。人を介してネゴをして、滅茶安な値段で話を纏めました。当時の私でも喜んで買い取れる値段でです。瞬間、悪魔が囁いたのです。切らない珍品コレクターに売ったことにして、自分で買って、10年抱えよう、ほとぼりを醒まして切ってしまおうか・・・。化けて出られない方を選びました。完璧なノーコミッションでの仕事です。
某所でのパーティーで、郵政博物館の井上館長さんと話をする機会が有りました。【かつおつり】の山本シートの話をしたら、???、何それ・・だったのです。無目打のそれは、森山欽司さんの遺贈品で森山真弓さんの秘書が紙袋2つで運んで来たことをご存じでした。目打有の方はそれが有る事もご存じないと受け取りました。当然ながら展示物としては一度も人の目には触れていないのです。ていぱーくは、切手の墓場だと言われることは尤もな事なのです。故人のご希望に沿ったディールをしたのですが、後の事を考えれば、私が買い取って、寝かせて手品を使って色を付け、マーケットに出した方が世の中の為になったのかなと悔いているのです。だから【かつおつり】は今でもオークションで表紙に使う気にはなりません。
今日の午後一で原稿は校了になりました。オークション誌の納品は10月8日の午後なので、発送は9日(金)になります。下見開始は8日なら大丈夫です。原稿書きのデッドラインを1日勘違いしてしまい、想定よりも100点少なく1980ロットでのセールになります。ロット数も最低値の合計額も去年よりは若干少ないのですが、品揃えは今までにないハイレベルの出品物が揃っていて最高だと思います。菊と現行が弱いのですが、手彫・旧小判・大白・1次~3次昭和・新昭和・産業・透かし無・郵便史・ステーショナリーでは超一流のコレクションが出所の見事な目玉品が揃っています。1回のセールに出すのが勿体ない程の並びなのですが、後先を考えずに勢いでやっつけてしまいました。何もせずに売ってしまうのは余りに惜しいので、私しか知らないであろうマテリアルの裏話を数回かけてアナライズしてみましょう。
オークション誌の顔である表紙の選択基準は、珍しくて綺麗で高く売れる物なのです。100%の落札を目指します。ここに持ってくるものは99%が最低値一任のマテリアルです。最低値ご指定の人の物は基本的に私のお眼鏡には適いません。意識はしていないのですが結果的に好みには合わないのです。逆説なのですが、私の好みに合った物は、ご一任であっても滅茶苦茶な割安の最低値を付けません。物が良いと思うので、自分では買いたく無い値段だけれど、絶対に誰かに売れて欲しいというギリギリの線を狙って値付けをするのです。表紙は9割+の落札率だと思います。普通はメールビッド締めの時点では数点は残るのですが、フロアで結構手が挙がるのです。この勝負はオークショニアの腕の見せ所でも有るのです。
今回の場合、ちょっと形態を意識したのです。ペアを並べているのです。大白の銘付が無双と1円、無目打が数字45銭と横螺鈿と農婦6円、不統一が洋紙6銭とブッチ1銭、マックス18点の内14点が埋まります。残りの4点を、書き十(未)・30銭11L・3銭薄紙11N(済)・15銭エスパKB2にしたのです。ジャンルも散っているし、ご出品のオーナーさんは5人なのでバランスも良いのです。改めて見てみると、ちょっと不満が残ります。単片4をペアにすれば更に格好いいのです。書き十と3銭11Nは外せないので、30銭と15銭を外して、6銭のプルーフ横ペアにすれば完璧だったかと悔いています。今回限りの贅沢な見方なのですが。
普段なら十分に表紙になる物でも落選になった物を並べましょう。和桜20銭ハ・旧小4銭完銘ペア(済)・旧小5銭耳に二科九號(未)・支那字旧毛10円(未)・かつおつり・坂東ラーゲル・・・まだまだ一杯有って2回分は余裕で作れるでしょう。この内で今回は表紙にはしていないけれど、私が絡んでディールしたビッグビジネスで、今までに書いていないお話が有るのです。かつおつり・坂東はシート、支那字毛紙5円・10円は田型です。売ってしまえば忘れてしまうのですが、ふとしたタイミングで思い出すことが有るのです。会心の商売と軽い後悔と・・物に惚れて、飛び込んで買ってしまっても、時の氏神が現れて助けてくれて、何時も何とかなっている・・このスリルこそが私のビジネスの醍醐味です。1点ずつ書いて行きましょう。
昨日に、ご出品代金の精算を完了、上記セールの全ての業務が完了いたしました。落札率は最終的にギリギリで60%をクリア、現状ではやむを得ない数字です。次はJAPEX特別セールですが、こちらの原稿は仕上がっていて、明日には入稿して、10月9日(金)にカタログを発送いたします。このタイミングで弊社の事務所で下見が可能になります。ロット数はいつもより少なめの1980ロットですが、密度の濃さは白眉です。一杯書けるネタが満載なので、その内のいくつかの情報は後日Upしてみたいと思っています。JAPEXセールが終わっても、12月のセールの入稿日が10月末にはやって来ます。この時期は毎年ですが結構タイトな日程なのです。
終わったセールですが、本当に奇跡的に、W.D.も返品もゼロでした。何時もはどうしても数点は出てしまうのですが、完璧なゼロは殆ど記憶にないのです。実は返品が有りました。でもそれは受け付けられない返品だったのです。
Lot1384 和桜政府1銭2-17+18ペア N1B1東京6.6.2です。状態が理由ならば有り得ますが、記事が間違っている事は起こり得ないパターンです。政府2版の場合、最も特徴が出ているのでプレーティングも必要が無い版なのです。記事の編集に於いては、当然私自身もポジションのチェックをしています。中間印刷ならば解釈に迷う物も有るのですが、松田印刷と政府印刷を間違えることは有りません。
落とした人のクレームは、2版でなく1版だから返品すると言うのです。私がやるべきことは、シート写真をコピーして、2版の17+18で間違いありません。ご希望なら鑑定に出してくださいの返事です。でも、ちょっと待てよと思ったのです。お買い上げはゼネラル収集のお年寄り、手彫のコレクターでは無いのです。
政府2版を1版だと主張するのは、何らかの錯誤に依る物なのです。【組合カタログ】の分類です。タイプ1・2・3で分けています。この人は政府2版が欲しいのでなく、タイプ2=9版か10版がご所望だったのでしょう。政府2版は当然ながらタイプ1、私にすれば極めて常識だし。これで間違える人はオークションのお客さんにはいないと思っていたのです。今回の場合、政府2版の方が、10版よりは遙かに希少性は上なので、そのことを説明してお手紙を書いて再度送りました。これ以上に揉めることは無いのですが、お客さんにすれば???かも知れません。落札品を引き取ってあげて、代わりにタイプ2の10版を差し上げるというサービスは、私のポリシーとしてやりません。金銭的には有り得るし、先方さんにはそれの方が親切な事は判ってはいるのですが、オークションのルールとしてはやってはいけない事なのです。オークションではこんなトラブルも起こり得るのです。心して掛からねばなりません。

昨年末に亡くなられていて、直ぐご連絡を頂いていた方でした。ご本人からも諄いほど頼まれていたし、ご遺族とも面識が有りました。物は勿論知っています。処分の手段はオークションが唯一の選択肢だったのです。後はタイミングだけなのですが、コロナで頓挫していました。JAPEXセールへのデッドラインが迫ってきたタイミングで再度のご連絡を貰いました。文献を含めれば結構なボリュームなのですが、コレクションの本体はボストーク2冊だけ、見事にはみ出た物は処分済みだったのです。能面50円の右書きは少し前にプライベートのディールをお手伝いしたのですが、最後の最後まで持っておくと言われた1点が見当たりません。桜10円の銘10の未発表の目打ち形式です。正規では無いのですが、逆向き目打ちのエラーなら有りうるしその特徴も出ています。現物が出てくれば、評価を世に問いたい物なのです。
本体のコレクションは、産業と透かし無、これは完璧に残っていました。生前最後に拘られていたのが、産業図案時代の【速達・急速便】、じっくり勉強してJAPEXセールに並べます。コレクションは随分と見せられたり、聞かされたりしたものが多かったのですが、改めて見つけた物が2点有りました。良い物です。
産業穂高16円、女工15円貼航空便香港宛 基本16円+第一地帯宛の15円増料金です。雉や立山なら派手さで目立つのですが、希少性ではこちらの方が遙かに上でしょう。見事な適正貼です。検閲テープの剥がれは、私は気にしません。もう1通の方が更に珍しいかも知れません。一見して分かりにくいし、実際にご本人も「日専」の料金表を手繰って見つからない、何だろうと言っていた物なのです。旧日専には出ていないのですが、他の文献には出ています。そして普通切手専門カタログVol3にも掲載されました。印刷物等の100グラムまで航空便南アフリカ宛です。第五地帯宛の10倍重量で、基本が50円迄毎5円の10円・増料金が41円x10で420円です。瞬時で判らなくても当然でしょう。



このカバーは行き先を遺言状?に記されていました。手書きなのでご遺族では読めなかったのですが、私は瞬時に分かりました。420円貼の南ア宛のカバーは●●●さんに差し上げてください。良い選択だと思います。ご遺志に従って、本日発送いたしましょう。対象がどなたかは私はしゃべるつもりは有りません。
PA112・MA98は7月22日(水)締め切りのメールオークションとして開催いたします。オークション誌は7月1日(水)発送、東京下見会は。7月11日(土)新橋駅前・ニュー新橋ビルB2会議室で、10時~16時45分です。Web.でダウンロードしての下見は6月25日(木)から可能です。大阪の事務所での下見は火曜~土曜(但し7月11日~14日は除く)10時~17時です。
最低値の変更が1点御座います。Lot6507 1,000→5,000円です。
PA113・MA99は、9月13日(日)に1日限定のフロアセールとして開催いたします。何時もよりスペースを広めに取るように会場をセッティング致します。フロアセールの出品数は約3000ロットですので、午前中からスタート致します。社会状況から判断して、バザールは開催いたしません。オークション誌は8月12日(水)発送、東京下見会は、8月30日(日)切手の博物館です。
本来なら、112回のフロアオークションと65回目の大阪駅前第三ビルバザールの開催日のはずでした。ご存知の通りの状況の為、日程を変更させて頂きました。PA112・MA98のオークション誌の編集は、ほぼ目途が付きました。6月中の発行を目指し、メールセールにて開催致します。締切日は7月中旬以降を予定しています。東京の下見会は是非とも実施したいのですが、日程が確定できておらず、現時点では発表できません。大阪での下見は、7月頭から可能になる予定です。まだ暫くご猶予をお願い致します。
現状で最も危惧しているのが、海外との物流の動きです。アメリカ宛の場合、EMSは完全にストップ、既に差し出した物でも配達に到るには4か月はかかるそうです。航空便の印刷物も引き受け停止、航空便のレターは引き受けてくれるのですが、JPの引き受け局から国際局=大阪の場合は大阪国際へ行って、そこでストップです。差出済のEMSより優遇はされないと思いますが、なぜこれを引き受けるのか判りません。気長に待つしかないでしょう。中国、イスラエルは全部ダメ、それ以外の諸国も平時のようには行きません。弊社のオークション誌の海外発送は60~70名なのですが、どうしたものか苦慮しています。FedEXが受けてくれるのなら、コストは滅茶高でもそれも有りかなと思います。出品物や買い入れの額割れ品など、海外からの荷物も複数届くはずなのですが、皆ストップしています。今は待つしか有りません。
8月末に予定しているオークションとバザールですが、現時点では明確な返事は出来ません。出品記事の編集は、タイムテーブル通りに進めますが、セールの形式は予定通りか、縮小か、日程変更かは決めかねているのです。ご案内できるようになれば、逐次お知らせいたしますので、現時点でのお問い合わせはご無用に願います。無責任な楽観で物事を決めるわけには行きません。
弊社は国及び大阪府の休業要請に伴い、5月6日まで業務を停止いたします。ご出品物他の郵送物もお送りにならぬようにお願い致します。
業種分類で、古物商(質屋を除く)・金券ショップ共に、休業要請業種に完全に含まれておりますので完全に休業いたします。
オークション誌の編集業務の一部は、テレワークも継続できるのですが、まとめの部分が不可能です。よって、5月30日―31日の112回フロアオークション・98回メールオークション・65回大阪駅前第三ビルバザールは中止いたします。その後の予定は未定なのですが、今回準備しておりますご出品物は、どこかのタイミングで、1日のフロアセール+メールメール、東京下見会と1日だけの第三ビルバザールもパッケージとして実施する際に、丸ごと移管したいと思っております。現状では目途が立っておらず日程は未定です。確定しましたら、当ブログでご案内いたします。全く先が見えない状況ですが、皆さまお健やかに過ごされますことを祈念致します。
新年度に入った途端、弊社が入居しております大阪駅前第3ビルの一角が騒々しくなって来ております。「新型コロナ肺炎」の感染者が遠くない範囲で発生したと危惧される雰囲気です。管理組合の事務所に尋ねても、明確な返事は有りません。所在が大型の雑居ビル故に、余程明瞭なクラスターが発生し、保健所や行政が動かない限り、管理組合としては何らの措置も取れないとのことです。それ故に当事者が黙っていれば何が起きていても判りません。因みにテレビで流れる消毒作業の風景は、保健所が主導して強制的に行う物でなく、感染者が出た事業者が業者に依頼して実施するとの事です。
茫洋とした雰囲気以上の的確な情報は持っていないのですが、ここ当分は劇的に事態が好転するとは思えません。直近の大阪の情況から判断して、弊社で予定しておりました、5月30日―31日の第112回フロアオークション・6月2日の第98回メールセールと第65回大阪駅前第3ビルバザール、前記オークションの為の東京下見会=5月24日は、当初の日程での開催は困難であると考えております。昨日から、事務所は閉鎖しており、弊社のスタッフは自宅にて待機しております。オークション誌の編集自体は、自宅での作業が可能であり、スクジュール通りに完成できるのですが、セールの日程が確定出来なければ、印刷の為のデータを入稿出来ません。セールまで2か月近く有るのですが、楽観的に見るのは危険だと思います。
5月のセールのへのご出品物は、何時も通りにオークション誌2冊で編集を完了させますが、オークション誌の発送は現時点ではお約束できません。希望的観測では有りますが、8月のPA113・MA99を予定通り開催することを前提にして、それ以前のタイミングでオークションを行いたいと思います。フロア・メール・バザールをフルに開催できるか、メールオークションのみになるかは現状では想像できません。確定しましたら、当HPにてご案内いたします。
今後は、郵便物、宅配便共に受け取りが困難になると思いますので、8月分のご出品物は、追ってご案内するまでご送付なき様にお願い致します。また、お問い合わせいただきましてもご返事が遅れると思います。ご理解お願いしたく存じます。
恐らくは今まで、どなたもがやったことが無い即売リストを作りました。【琉球切手 使用済】です。
20数年間にわたって、溜め込んでいた琉球切手の使用済を種類ごとに整理しました。日本切手のおまけにくっついて来た物ですが、リーフやストックブックからは外して、箱に放り込んでいたのです。商品化は諦めていたのです。それを売ることを目的に買った訳でなく、勿論それを望んでも仕入れは不可能なテーマです。ふと思い付いて、きっちりした在庫を調べてみたのです。100円加刷は別格ですが、1次普通は初版も再版も、真正の使用済は極端に少ないのです。最難関は、米価暫定の糊付ですが、これはちょっと特殊です。コンプリを目指して並べて見れば、1次普通の初版・再版、2次普通の50銭白紙、10円加刷の3版、組踊小型シート、西表確認証紙を加えて、280種で完成しました。流石にこれは表で売りに出す程の在庫は無いのですが、1次普通と100円加刷を除けば、即売リストを作って個別に対応できることが判りました。初期の記念、航空、速達はカタログ値は高いけれど、沢山あるし、難しいかなと思っていた1970年代の記念も大丈夫です。途中でちょっと郵便使用が少なく、当然在庫が少ない物も有るのですが、FDCはがしを使えば何とかなるのです。
希少度=弊社のストックの多寡を基準に値段を付けました。基本的には実逓消ですが、一部はFDCはがしの櫛型印も含みます。特印は外します。ご希望の方は、リストをダウンロードしてご注文お願い致します。型価は参考にしましたが、それ以上に弊社の在庫数を重視した値段を付けています。収集の指針にもなる即売リストだと思います。琉球切手を対象にしているゼネラルの使用済コレクターが果たしてどのぐらいおいでなのかがちょっと気になるのです。未使用の美品=NHは、100円加刷と1次普通の初版1円以外は普通に在庫しております。こちらも組合カタログの50%で販売いたします。以上、店頭販売はいたしません。通販でのみの対応になります。
【琉球切手 使用済】
11月17日開催のJAPEX’19スペッシャルセールの業務は、11月28日の落札代金の精算を以って完了いたしました。本年は出品点数2032・落札点数1375・落札額86,272,250円=手数料を加算すれば100,075,810円になります。因みに返品はゼロでした。メールの応札数は373件、フロア参加者は127名、落札率は67.67%です。JAPEXセールとしては、成約額は過去最高ですが、ビッド人数も落札率も過去最低です。ビジネスとすれば好結果に見えますが、裏には陰りも潜んでいます。今回は特に目玉的な物が多数あり、お支払を勘案して絞ったビッド行動だったという事です。100万円以上の物が12ロットというのも過去最高です。ビジネス的には今回の結果はオーライですが、高額物へのビッド数は2~3が多く、クールにアナライズすればある種の怖さを感じます。ビッド2で競りに競って値段がぶっ飛んだ物も有るのですが、それですら1人抜ければ最低値、2人抜ければ不落札が現実です。ハンマープライスに酔いしれるのでなく、現実を注視して心して掛からねばなりません。
今回のセールのトピックは、16日の下見会で事前準備のためにほぼ1日、当日のフロアセールではロット1~2032のコールの全てで、完璧にテレビカメラが廻っていたことなのです。テレビ東京系の情報バラエティ番組、【二代目和風総本舗】12月5日(木)夜8時からの2時間特番の取材でした。企画書によれば、「追跡!最高級品 買ったのは誰?」のテーマで、切手のオークションを取り上げてくれたのです。企画段階ではオークションとして、他に金魚と刀剣が有ったのですが、金魚は100万以上にはならないし、刀剣の競りは仲間内なので没、こちらにお鉢が回ってきたのです。誰かの紹介でなく、ネットで調べて連絡をくれたのです。テレビ大阪ですが、東京制作部なので銀座が所在地です。フロアセールの日付けと場所も最高の条件でした。バラエティー番組の一般的な作り方とすれば、下請けのプロダクションへの丸投げが多いのですが、この番組の制作はテレビ局自体が全部やっています。放映は多分10分位でしょうが、電話での打ち合わせも10回近くしましたし、事前にディレクターが東京からわざわざ梅田の事務所へ来てくれました。
コンセプトはオークションで競って100万以上の物を落して、その人を追いかけて自宅で取材したいという物でした。今回のセールの場合、100万超は楽勝でした。事前でピックアップした物が10点有り、セールでの結果は9勝1敗です。でもフロアで落ちないと駄目なのです。そしてマイクを向けて、にっこり笑って、遠方地も含めてのご自宅での取材となると、途端にハードルが上がるのです。やらせは一切NGです。ハードルを少し下げて、何人かにお願いしたのですが、当初のコンセプトでは全員に断られました。保険を掛けて、緩やかな条件での抑えはOKが取れていたので空振りにはならないのですが、出来れば当初の企画に合致した画を撮りたいのです。
土曜日の下見の会場で最適の人を見つけました。狙いの物はEx.Levyの竜銭のブロック、地元印のポイントで絶対に欲しがるはずの物なのです。強靭紙の6枚ブロックなので、基本の評価として最低値は100万円、希少性を評価して、メールはお一人だけれど、結構いい値段が入っていました。ポイントは違うけれど、場で競って撥ね退ければ、手数料込みで200万を超えるのです。セールの前なので、どう動くか判りませんが、もし買えたならテレビの取材に応じてくれますかと問うたのです。ディレクターさんが交渉してくれました。私はメールの1番札を知っていますが、それは漏らせません。テレビの事前の取材が効いたのか、欲しいという欲求が強かったのは判りませんが、スタート100万円を一刻み5万アップでゆっくり読んで185万、きっちり落とし切ってくれました。私の読みが当たったのです。昨日担当者から連絡を貰ったのですが、先方のご自宅での取材が出来たそうです。ここらは当日のお楽しみです。
切手のオークション以外でも、番組でクイズをやるそうです。組合カタログをあげたら、先方でアイデアを出して来たのです。特に拘ったのが、おしどり50円の楕円目打、かたくり350円の大蔵・財務・国立銘、値段の変化というポイントで、オリンピック寄付金付きの未使用と使用済、見返りと月雁の画像を頼まれました。結構私のインタビューも映るかも知れません。雑談的に質問をされても、切手絡みなら当然ながら淀みなく返事が出来るのですが、突然の質問が有りました。【切手の値段が決まる三要素は何ですか?】何故かゼロ秒で反応してしまったのです。「歴史と科学と心理学」ちょっとあたふたなので、理由をこじつけました。歴史を使用面での希少性、科学は製造面でのそれ、心理学は人気です。ちょっとズレた返事です。1分間の余裕が有れば、もっと綺麗に返事だ出来たと思うのです。歴史はオークションでの取引実績、科学は定量的な希少度、心理学は人気です。この正解は、茫洋として感じてはいても、咄嗟の問いかけには出て来なかったのです。この部分は放映されるかどうか判りませんが、興味本位でない良い取材を受けられたと思います。最高級品を買った方、ご自宅訪問を快諾してくれて有難うございます。それが一番心配だったのですが、ドンピシャで収まったと思うのです。