『詐欺メールにご用心』
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6月15日日曜日締切りの、私のヤフーオークションの出品物に関して、詐欺メールが送られています。今までにも何度も同じようなケースの報告を貰ってますが、一向に無くなりません。また、知的な犯罪と言うには余りに稚拙で、引っかかる人もいないとは思います。別掲のメールは3番札の方に送られたもので、当然ながら1番札=落札者とは何の問題もなく取引は完了しております。このアイテムの1・2・3番札の方とは何度も取引実績が有り、それ以外の普通のオークションでも良好な取引関係が続いています。
詐欺メールを送るにも、ヤフーからでは誰でもが簡単には出来ず、それ以前の取引でメールアドレスを知っていることが必須です。だから、詐欺メールを送った人物と送られた人は何らかの接点が有ったはずなのです。ただ、得られたデータで調べましたが私のデータでは詐欺師の特定は不可能でした。その人物のIDは女性名で登録され、「新規」で生きておりますが取引実績は残っておりません。これ以上は興味本位でメールを送って遊んでも生産的では有りませんので、同じような経験をされた方は、ただ只管無視してください。相手にしないのが正解でしょう。
このことを奇禍として6月27日発行の郵趣ウィークリー26号に、思いつきの広告を出しました。偶然にも、「木造船2銭の糊上印刷」がまとまって手に入っていたのです。昭和切手のぐちゃぐちゃのアキュムレーションを額面別に分けていて、たまたま見落とさずに出てきたのです。どのルートで買っていたのか今となっては分かりません。その他にも、ちょっとしたプルーフやエラーも見つけたのですが、その内オークションに出しましょう。
「木造船の糊上」は今すぐなら、ウィークリーを見てない方にもご注文いただけます。超特価の破格値ですが、予想外の出現だから安いのであって、書いているよりは状態も悪くないし、勿論詐欺では有りません。
『竜100文2版Pos26』
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突然、前触れも無く大きい荷物がやって来ました。5月末に会員さんになってくれた人からの出品です。分厚いバインダーにカバーが500点以上、でも出品記事は2行だけ・・。壬申の公用飛脚便、もう一点が竜100文12枚貼りカバー・・・。扱いは一切一任です。
詳しくは、次号の弊社のカタログをご覧頂くとして、以前からかなり気になっていた竜100文の製造面の疑問が一つ解決したように思えるのです。画像でお分かりのように、2版のPos9~35の12Bです。この並びなら、夢のブロック=18の腕落ち・25のあご無し・26の腐食漏れの大エラーも含みます。手彫専門カタログの使用済最大ブロック10も見事に更新です。これ以外の色んな要素はさて置いて、本題に入ります。
消印は岡山の最初の郵便印、差出の書込みが正月廿二日なので、総合的に判断すれば明治5年1月22日が差し出し日だと思えます。2版としてはかなりの初期使用ですし、刷りもシャープで濃青の初期印刷だと言えるでしょう。注目したのが、18の腕落ちでなく、26の頭髪です。どう見ても、濃くも淡くもない周りと同じ刷り色です。だから、「腐食漏れ」では有りません。でも、「頭髪加刻」とも思えません。直感で判断すれば、「腐食漏れ」の前の正常な状態か、加刻後に現れた瞬時の正常類似の何れかだと思えるのです。この件に関しては、市田左右一氏の名著「竜切手」に興味深い記述が有るので、ここに引用しておきます。
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見事なまでの断定調で、一つの可能性は否定されています。ただ、氏の表現ではその現物に触れる機会も無かったようなのです。市田氏の論文では、26の頭髪の状態に関しては、①腐食漏れ→「②一見完全状態」→③加刻での滲みに並べてます。ただ②は実物を示しての結論でなく、又聞き情報を推論でブッタ切ってます。客観的な証明手法としては些か弱みも有るのです。製造面での専門用語を錦の御旗の如く振りかざして論議の道を閉ざすのは如何なものでしょうか。私の考えは①完全状態→②「腐食漏れ」=破損→③「頭髪加刻」=滲みの順だと思うのです。
今回のマテリアルに接する前にも、際どい話が有ったのです。疑念は、Pos36の雷紋軽彫が有るはずの切手で、軽彫でない普通の印刷の初期と思えるアイテムに接した時に起きました。それ時は、面白いけど、そういう印刷の物も有るのかな・・以上には感じませんでした。一枚の単片のバラエティーから、シートの全体像を推し量るのは無理なのです。ただ、2~3年前に、達者な若いアメリカ人のブローカーが送ってきた切手には正直悩みました。Pos26(確かに)で、頭髪には滲みが全く無く、もしかしてとシゲシゲ見ても腐食漏れのそれとは印象が違うのです。彼は、当然、アワヨクバ「腐食漏れ」=未使用でカタログ値500万の期待をしていたと思います。ただ、定量作業のプレーティングは出来ても、経験が必須の厳しい視点での分類は無理なので、夢を含めて、腐食漏れか頭髪加刻かを聞いてきたのです。私の結論に対しては、何の異議も主張も有りませんでした。
確かに初期印刷の雰囲気の未使用でしたが、惜しむらくはマージンが弱かったような気がします。出品記事は、多分、腐食漏れ~加刻のポジションの完全状態?みたいな表現をしたと思います。状態故に売れるかどうか危惧したのですが、期待した人がきっちり落としてくれました。どういう評価をされたかは今現在は聞いてませんが。何れは「竜」の大コレクションの中で意見を表現してくれるでしょう。
あの時も識者と話したことなのですが、説得力の有る根拠は金井宏之氏蔵の100文2版の完全シートに見出せます。市田氏の本にも写真が添付されてますから、誰でも調べることが出来るのです。26は確かに「腐食漏れ」、そして36も明瞭な「軽彫」です。このステータスは同一シートに有るのです。ならば、36の状態完全な単片と同じシートの26はどんな感じなのでしょうか.順序を並べるならば36の完全状態の方が、腐食漏れ・軽彫よりは前でしょう。だから、36の完全状態のシートの26の頭髪もやはり完全だったと思うのですがその証明は現時点ではなされてません。
ここで今回のマテリアルを見てください。最所期使用ということは、初期印刷です。26の頭髪は完全です。そして、本当に偶然というか奇跡的に右下切手Pos35の右隣36の雷紋部分が残ってます。当然の如く、全く完全な状態です。もし、36もリタッチや洗浄がされたのなら、印刷が不完全になったあとで、完全な状態の物が出現する可能性も有るのです。ただ、その作業はされたという証拠は有りません。だから26と違って、こちらは時系列で並べれば、完全~淡いに並ぶはずです。26の頭髪は「完全」→所謂「腐食漏れ」→所謂「加刻」の並びでいいと思うのですが。もしこの考えが正しいとしても、「完全」が「腐食漏れ」より少ないか、同じ程度の希少性と判っても、値段は「腐食漏れ」に比例することにはならないでしょう。切手のバラエティーの値段は希少性よりも、ストーリーの面白さや派手さに拠ることが多いのです。
ここまで書いてきて、どうしても連想してしまうのが、200文の破損~所謂リタッチというお話です。この件での私見もあるのですが、これはデータを数多く並べて論証せねばなりません。オフレコの議論なら結構いいとこまで行けるのですが、ある種刷り込まれている知識をひっくり返すのは大変なエネルギーがいるのです。先駆者は推論で良いのですが後発の者は証拠を示して立証せねばなりませんから。だから、こちらは又いずれ。
因みに今回の「カバー」弊社の100回目のセールのラストロットにしましょうか。最低値もお手頃ににして・・・。
『団扇の花』
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フロアオークションの演台にいる者だけが見られる光景です。弊社の場合はスタート値をリストにして提供してますから、相当なスピードで進行してもフロアビッダーがロット番号をミスしてのビッドは殆ど起きません。これをやってないと、番号のみならず、値段の聞き取りミスも起こる恐れがあるのです。このシステムは海外の同業者がやっているのを見て、私がかなり早い時期から取り入れて、今や国内でも他社も含めて完全に定着しています。
オークションシーンでの、派手さや劇場的な面白さは場での競り合いなのですが、結果のデータをアナライズすればかなりの部分はメールの段階で決してます。目勘定での割合ですが、弊社の普通のフロアセールの場合は落札金額ベースではメール2対フロア1程度が平均的です。下見無しの人のメールビッドでも有る程度は勝負できることを目指して記事を書いてますから。
その時の状況にもよるのですが、人気の有る分野には必ずそこそこのメールビッドが入ってます。自分しか分からない超掘り出しのポイントはオークションでは極めて希な要素です。だから、場で手が挙がってメール相手に競る数は1~2人が殆どで、5人ぐらいから同時に札が挙がって、さしずめ『団扇の花』が満開になることは滅多に有りません。それに、私の手札にはメールの1・2番札の数字とビッドした人の名前が書いてあり、それと場で手を挙げた人の面子と値段を見れば、オークション誌を見ずとも何を競っていて誰が幾らぐらいで勝ちそうかも殆どの場合は判るのです。だからこそ、場を仕切ってのオークションが出来るのですが。
今丁度来月の郵趣の広告=PA53の落札結果速報を見てますが、出来た数字以外の裏情報をちょっと書いて見ましょうか。昨今のオークションの値段という物は、マテリアルに対する普遍的な評価でなく、ヒューマニックな要素、誰と誰が競って・・今回だけの値段・・のケースが結構有るのです。オークションは所詮は刹那の世界であって、参加者が一人抜けるか、ご新規さんが入るかで天と地ほどの差が出るのです。解説します。別のウインドウでデータを見てください。
1172 理屈ではこれ以上のものはないはずです。希少性、地域、日付、このケースでは欧文の要求はされません。NAGANOの欧文櫛は無理ですから。でも、戦後の記念が100万クラスでも驚きのニュースではない風潮に驚きます。
1175 数字としては予想の範囲内。最低値15万ですが、80万以上で5人のメールが有りました。葉書と封書は同一料金、存在数は1対100、ただこのケースの場合はカバーでもほぼ同じ評価でしょう。85円の第5の印刷物を是非扱って見たいのですが。
2430 『団扇の花』が5枚は有りました。誰もが同じ考えで、派手さと希少性が乃木のキズを評価の向こうに追いやるのです。以前売ったペア貼の完全品が70~80万だったかと思います。あの時は随分強気の最低値と思ったのですが、今回の結果を見ればコンディションに我慢して希少性に惚れ込める人の数に多さに認識を新たに出来ました。
3098 表紙に持ってきた意味を理解してくれた人が少なくとも2人以上はいたのです。松田の高額10銭・20銭・30銭の未使用のP11の少なさを金額に置き換えて認めて貰えたのはちょっと嬉しい驚きでした。
3147 表面は本当に綺麗です。色フレッシュ、ウエルセンター、目打完全、でもリガム、これを「NH 極美」と書いてヤフーに出すのは詐欺ですが、リガムと書いてもこんな値段になるのです。勝った人も負けた人もこの数字なら納得でしょう。
3629 理屈的には抜群に珍しいものでしょう。ただ消印がやや弱い。落ちた値段の5倍以上のメールビッドが入っていたのですが・・。入れてた人は拍子抜けかも。
3709 何ともはや・・としか言いようの無い値段です。プライベートで値付けするなら20万以上にはなりえません。ルックス的には合格なので後は誰と誰が競るかだけ。値段を切ってない人と強気で降りない人がぶつかっただけ。出品者もオークションを良くご存知だし理解力が有る人なので、率直に喜んでくれるでしょう。記憶からも記録からも消しておきたいデータです。
3847 棟方の直筆は、例の特徴のある汚い筆書きが結構残っています。私の売値なら2~3万でしょうか。但し、この人の場合は木版の版画は別格なのです。展示会の案内の印刷葉書や文字だけの葉書なら一桁は値段が下がります。
3917 直感で付けた最低値ですが、メールも結構入ったし、フロアにもその分野の人が数人来てくれてました。小判のプルーフなどと違って、昔はそこそこ見かけたという話を聞きました。今回程度の値段が相場なのでしょう。
4084・4089 型録値を見て下さい。フレッシュという以外に製造面のバラエティーの手変わりの要素は皆無です。メールで強気に入れていて、更にわざわざ、たまたま場に出てきて、しかももう一人の滅茶値で入れてる人のメールビッドに負けているのが許せずに場で手を挙げて落とし切った故の値段です。この値段の1/3なら喜んで売りますけど。この調子が続くなら手彫の未来は明るいのですが。一連の桜のVFの出品者、随分高い値段で買ってた人ですが、今回は報われたと思います。オークションでは「2人いれば」この値段になるです。「一人いる」のは結構多いのですが、二人目が中々難儀なのです。
4098 直近の他社のセールの上耳付の3連が200万、下耳付の3連も多分これっきりで終わりのはず。メールビッドは最低値120万に対して、200万と210万のキッチリ2本だけ。情報は行き渡っているしグロスの金額故にアワヨクバや抜け目狙いのビッドは皆無です。ただ、1枚札が抜けたとしてスタートが120だったとしても、落ちる値段は紛れずに200か210か220のどれかでしょう。皆さん賢すぎるのです。
『オークション終了』
第53回フロア・第46回メールセールは本日までに無事終了しました。既にUPしております落札結果速報をご覧下さい。フロアセールにおいては、演台から見ているとロットナンバーを読み上げた瞬間に団扇=パドルの花が5~6本開いたものも見受けられ、随分賑やかな競りになりました。印象としては競るものは競って、一桁伸びるし、単片の使用済では安く付けても見向きもされない分野もあるようです。ここらは、編集の時点で神経を研ぎ澄まして、取捨選択をせねばなりません。それがオークショニアの役割ですから。
今回はオークション誌の発送で、想像外のトラブルが発生、そのまま放置すれば次回も起こりかねない深刻な状況故に、何らかの措置を講じます。一件はイスラエル宛のEMSが不在で持ち帰られそのまま配達されず。結果、期日までに受取人には届かない。もうひとつは、国内の配達遅延。5月の16日の午後5時過ぎに、郵便事業株式会社・大阪支店の集荷で発送、ポスパケット約款10条(ゆうメール=旧冊子小包の特割)の荷物の配達日数の義務的配達完了の日時は22日の木曜日、この日に着かねば契約違反になるはず。ゆうメールの特割の条件の一つは郵便番号の5桁又は3桁での束ねての差しだし。ところが今回は、340-00で出した7件が早くて24日の土曜日、遅ければ26日の月曜日の配達。具体的には草加局扱いのものが該当する。それ以外にも、遅延の問い合わせが数十件有り、埼玉、千葉、神奈川、北海道が多かった。ゆうメールの配達の流れは、大阪支店で集荷、持ち帰って束状態で区分して、新大阪支店を経て、各地の中継局へ行く。草加局を含めた33・・・、34・・・は埼玉新都心局が担当になる。ゆうメール等の大型郵便物は通常の送達想定日数が約3日、プラス特割の遅延承諾が3日加算される。現在の日本郵便=郵便所業株式会社の考えは、只管に「打倒クロネコ!」だから、原則翌日配達が義務的に課されている、エクスパック・ゆうパック・速達に人手を割いている。料金も割り引いている故に送達日数がこれらに劣後する「ゆうメールの特割」が後回しというのは分かるし、それを承知で使っている。それでも十二分に余裕を見ているはずの、請負契約の一部を履行できないというのは事業者として有るまじきこと。遅延の発生する可能性は、大阪支店、新大阪支店、さいたま新都心支店、草加支店の4箇所に有る。この内の草加局での可能性は極めて薄い。末端の局にまで来た郵便物は次々に処理するのが一番楽なはず。遅らせるメリットは何も無い。
電話での問い合わせの段階では、さいたま新都心と草加はこの日付での理由の有る遅れは発生していない=天候異変や事故発生、税金、株式、受験等の大量郵便物による業務遅延も無かったという。大阪支店と新大阪支店は今だ返事無し。普通便でしかも遅れたとはいえ、配達完了郵便物の為、101号での調査要求は使えない。放置すれば次回以降も恒常的に発生する可能性がある為、然るべきルートへ調査要請を出すことになるでしょう。
もう一件の年初からの「オークションのルール」に基づく懸案が、この程明瞭な結論を得ました。今回で無い既に終わっているオークションへの出品物に関してだが、オークション誌を発送直後に出品者から、その一部を取り消しにしたいとの申し入れが有り、電話でのやり取りでそれを拒否、その後不測の事態を避ける為に要求の有った物も含めて全品を取り下げ、要求者を除名にして以降の出品・入札の利用も拒否する通告をした。オークション誌の規定にも、「規定に記していない運営上の判断はオークショニアの裁定による」。更にはこの出品者には、当然ながら発行の数週間前に掲載原稿を送っており一定の期日内に返事がないことで、異議が無いと判断していた。相手方=原告の要求は、不当に出品を取り消され、更に除名されたことへの損害賠償が10万円、拡張しての要求が、この件をブログに書かれたことに関連しての損害賠償が10万円だった。相手方の主張の根拠は、オークションの出品物に対する所有権は出品者に有り、落札者が決定するまではその権利は絶対であり、売る・売らないも出品者が決定できるというものだった。これを解釈すれば、入札値を出品者が聞いて、それで売るか売らないかの判断を委ねるという、かつてどこかで噂になった変てこな出品者の跳梁跋扈を許すことになり当然ながら受け入れるわけには行かないのである。
裁判での論争は唯一、法に則してどちらに理があるかか否かを裁判官に判断を委ねるということである。私の主張は、オークションの起源が紀元前のバビロンの奴隷市から・・説き起こして相当の頁数を費やしてルールの詳細を書いたが、裁判での判断の元になる条文は、商法551条・552条の問屋(といや)取引に収斂し、その内の有償委任取引を委任者の一方的な申し入れで解除できないということだった。ここらの詳細は、あまりに長くなるので別の機会に譲りたいが、5月28日付けの特別送達で送られてきた判決文は、「原告の要求を棄却する。訴訟費用は原告の負担にする」。私が、最初に要求したそのままの主張が一文字も違えずに認められた。原告は2回目の口頭弁論から出席せず、2度の欠席が続けば休止満了=訴訟の取り下げになるのだが、私としては裁判長の判断が欲しいが為に、結審しての判決文を書いて貰った。この裁判は第一審が、某簡易裁判所なので、控訴するなら大阪地方裁判所の某支部、上告は最高裁になる。その選択は敗訴した原告によるので期日が来るまではどうなるのかは分からない。今回の判決理由は基本j的に、入り口の段階での原告の主張に理由が無いとの判断で、私が望んだ商法の551・552条には触れられておらず、その意味では少し肩すかしかな。オークションのシステム論に関わることなので、より詳細な報告は場所を改めてきっちり検証したいと思っている。「オークション」の括りでも、裁判所の不動産の競売やヤフーのオークションとは似て非なるもの。関わる法律=商法も違うのでここらも含めて最高裁まで行って、確定の判例を得たいという気持ちも無くは無いので・・。
『引き続いてのスタンプショウ広島』その1
①(1.92MB)
②(1.90MB)
5月17日―18日に開催されました標記イベントに今年も参加しました。本年の企画は200点のドラフト制での販売でした。展示しての即売を登録・指名で行い、ほぼ60%=高い物から順に売れていきました。残った物はここで先着順で即売いたします。メールにて、在庫確認の上ご注文下さい。カバー類と単片を2回に分けて掲載いたします。
ロットNo.
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記事
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金額
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1
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和桜1銭政府貼 イ1番
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50,000
|
5
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1銭ル貼 ヌ9号
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20,000
|
8
|
見付検査済
|
60,000
|
9
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大聖寺不統一 少シミ
|
35,000
|
10
|
シ17号+出雲崎
|
20,000
|
14
|
盛岡ボタ
|
20,000
|
17
|
独東亜細亜商船船内印
|
35,000
|
19
|
TUNGCHOW
|
60,000
|
20
|
軍事加刷 青島 野戦局
|
20,000
|
34
|
薄手2銭往 OSAKA
|
20,000
|
47
|
NINSEN 葉の下少縮小
|
20,000
|
|
満旅順
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20,000
|
53
|
KEELUNG
|
15,000
|
56
|
朝日新聞訪欧大飛行
|
50,000
|
57
|
TAKAO
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40,000
|
58
|
価格標記封筒封上部縮小 KEIJO
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35,000
|
59
|
12枚貼 TENYO-MARU
|
15,000
|
60
|
KEIJO
|
20,000
|
61
|
売れました
|
|
62
|
売れました
|
|
63
|
日中コンビ MOUKDEN発上海宛
|
50,000
|
65
|
新毛コイル貼 南京飛行
|
35,000
|
66
|
台湾選挙投票入場券
|
20,000
|
67
|
支毛・支菊8枚貼 青島 野戦局
|
50,000
|
68
|
TSINGTAU
|
50,000
|
70
|
SHASI 薄消
|
50,000
|
71
|
売れました
|
|
72
|
富士鹿20銭貼 基隆+KIIRUN
|
30,000
|
73
|
旧改富士鹿8銭貼 KOBE 封角少欠
|
30,000
|
76
|
米船内印消
|
15,000
|
77
|
ASAMA-MARU
|
40,000
|
79
|
検閲封緘紙貼 逓信省第七検閲済
|
15,000
|
84
|
無透螺鈿10円貼印刷物米宛
|
35,000
|
87
|
官報3200号付録 明治銀婚 見本貼
|
40,000
|
89
|
日清4完貼 有栖川2銭少キズ
|
35,000
|
93
|
TAIYO-MARU
|
15,000
|
95
|
大連―蔚山航空便
|
20,000
|
98
|
TERUKUNI-MARU
|
30,000
|
112
|
ナポレオン貼横浜宛
|
25,000
|
113
|
独東亜細亜商船船内印
|
20,000
|
114
|
独東亜細亜商船船内印 PAQUEBOT
|
20,000
|
115
|
無切手葉書 独艦船船内印
|
25,000
|
118
|
イギリス発名古屋宛 INCONNU
|
15,000
|
119
|
イギリス発旅順宛 楕円満鉄印No2
|
40,000
|
120
|
独切手貼 独艦船船内印
|
35,000
|
122
|
ロシア葉書北支宛 CHANGCHUN 中継
|
20,000
|
124
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満州切手貼 丸二HSINKING
|
15,000
|
128
|
売れました |
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132
|
暫定香港加刷3完貼FDC
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30,000
|
133
|
旧毛1円50面シート上耳なし 横浜戸部六 |
30,000
|
『ドラフトの流れのご紹介』 『単片類のエントリー』
(275KB)
5月17日・スタンプショウ=ヒロシマでの「ドラフト制での販売」の説明いたします。既に当H.PにUPしましたアイテムを中心に、日本関係品200ロットを当日、展示即売いたします。即売値を明記して、現物をご覧頂いた上でのお買い上げをお願いします。
エントリー受け付けは17日(土)の午前10時~、投票締切りの午後1時直前までにお願いします。登録はドラフト参加ご希望者にエントリーの際の投票用紙(アルファベットの記号入りで原則10枚=1~10の優先順位付、ご希望ならそれ以上の枚数も可)をお渡しする為の物です。お名前・会員番号(会員外でもハンデ無しでご参加いただきけます)をお申し出いただき、抽選でA~Zの記号を選んで頂きます。会場に来られた方ご自身で1回だけ引いていただきます。この段階で先着順でなく26名の方の「記号=優先順位A>B・・・」が確定します。エントリー者が27名以上の場合は追加のa~zの記号になりますが、27番以降の方はa<Zで受付の時点でかなりの不利になりますので、26名以内に入れるようにお早く登録してください。因みに昨年の同様の企画では約30名のご参加でした。
該当品200点への指名=購入の意思表示は締切りの午後1時までに完了してください。最重要なファクターは購入希望品に順位付け=ドラフト指名し、ルールに基づき購入者が確定することです。途中開札や、外れ1位の救済は有りません。各アイテム毎に指名の札寄せを行い、そのアイテムに指名1名なら順位に係わり無く、その人がお買い上げ、ダブった場合は2段階での選定が為されます。アイテムごとに指名順位で並べ、番号の若い方が優先です。同順位がダブった場合は登録の際にお渡ししたアルファベット記号の若い方を優先します。即ち記号Aを引いた方のみは1点は100%買えます。B~Zでも指名順1位の物はかなりの確率で買えますが絶対では有りません。お申込者の記号は公表しませんので、ライバルには隠しておいて上位札を有効に駆け引き投票して下さい。引渡しは2時~を予定しております。会員さんは代金後払いで構いません。非会員の方は現金決済でお願いいたします。また、予算が有る場合は、エントリー時~開札確定までに係りにお申し出下さい。優先順位の高い順でその金額の範囲に納め、残りは辞退扱いにします。
今回はカバーを中心にストックを大幅にリニューアルしました。ドラフト分以外も付け値1万円以上の物だけは別置きでブック4冊、それ以外は30+のテーマ毎に分類しています。記念シートの額面売りやブック・OPP小袋入りの単片も持参しますので2日間ゆっくりお楽しみ頂けるかと存じます。
『広島でドラフトを!』
(406KB)
<スタンプショウ=ヒロシマ>’08
5月17日(土) 10:00~17:00
5月18日(日) 9:00~16:00 広島県立産業会館 西展示館 にて新入荷品を指名ドラフト制で販売します。
朝に登録して頂き、初日の10:00~13:00に優先順位付のお申込みを受け付けます。
指名順位の若い方が購入権を得ますが、同一順位が重なれば、登録の際にお渡しした若い記号A>B・・・を優先します。ライバルのチョイスを読んでダブりそうなアイテムは若い札で指名すればかなりの確率で購入できます。
ドラフト参加は場に来られた人限定です。弊社の会員様は代金後払いで構いません。
対象品の一部をUPしておきます。販売は全てご覧いただいた上なので状態も含め詳しい説明は書いていません。
いくつかのポイントだけを書いておきます。
①菊2種貼は中継印がKUAN CHENG TSU=寛城子 07年10月20日には長春に局名が変わります。
②東宮婚儀のNAGASAKI PAQUEBOTは支那字入りです。
③支字菊5種貼葉書の書留は溏沽で引き受け門司での抹消です。
④日中コンビは瓦房店の不統一で宛先は神戸です。
オフカバー・単片類は後日UPいたします。
「日中コンビネーション」
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海外のオークションに出る、中国関係のマテリアルは、アメリカ・欧州・香港の何処に出ても我々の評価はお呼びでない。カバーも切手も、目に付くディスクライブで出ていれば落とせる可能性は完全にゼロである。この分野での原体験は20数年前に行った、CORINPHILAが強烈。ピーター・ホルカムが世話をしたと思われる、クラシックのCHINAが出て、参考値はそそられる程安い、でも場では競って競って、10倍・100倍はざらに伸びる。台湾の呉楽園とスウェーデンのベッケマン、互いに降りないので何処までも行く。スイスのモーザーさんが大竜のリコンストラクションを買ったり、フランスのコンさんが紅印花のカバーを必死の形相で競っていた。この頃のJAPANのパートにチョッカイを出していたジュリアン・クライブもルドルフ・シャピラもとっくの昔に逝っている。CHINAに限っても、場での雰囲気は大いに変わってしまっている。場のビッドで、誰もが平伏すキングはいなくなり、香港でのフロアのビッダーは随分若返って、顔と名前が一致しなくなった。
今回のセールにも、かなりの日中コンビネーションカバーが出ていた。大竜・小竜や紅印花の大物はないけれど、旧持ち主の好みだろうか、バン竜貼りの丸一の平凡な物は少なく、万寿、暫作洋銀貼りや、IPO、不統一のプレミアが付いている物が多かった。中国の局名の希少性の評価では私は勝負出来ないけど、今回のマテリアルは日本でもプラスの評価になるはず、駄目元で数字を入れて見た。相手にされない、ぼろ負けでなく、買いたい評価は完璧に超えるけど、私の評価で微妙な上下の値段になっていた。結果は20点の内4~5点落ちたし、Lot 149の1897・9・27発で暫作洋銀10銭+U小判5銭のSHANGHAI 1897・10・2など米宛の料金が5銭→10銭の切り替え期なので、きっちり理屈がクリア出来れば面白かったかも。でも、24万円では落ちないのでいい数字でしょう。今回の場でのCHINAはフロアビッダーは大人しくメールビッドも強くない。それでも全ロットにエージェントへ複数の札が入っているし、目立つ物へのテレフォンビッドは強かった。我が社へのリクエストが来る数人と同じ人かも知れない。
私の場合のCHINAはあくまで、遊びの延長、でも今回は郵便史的に手にして、調べてみたい物が有ったのです。日中コンビネーションは、多分9割までが米宛、ヨーロッパ宛はかなり少なく、日本宛は更に希。その手続きの根拠は、中国がUPU未加入の為に、国際郵便は他国ルートに託さざるを得ない為に交換局で貼り替えているからである。日中間の中国発で日本郵便局が無い土地発なら同じ手続きになってしまう。日本局に持ち込めば、日本郵政のルートなのでこの手続きは不要になる。この理屈で、日中コンビの日本宛は少ないのだろう。日本局も需要に応じて広範囲に開局しているから。
オークション誌の記事を見て、何これ?と思ったのが、この逆ルート、YOKOHAMA発で北京宛、1896年なので、北京に日本局は開いていない。だからSHANGHAI中国局で中国切手を貼り替えての逆方向のコンビネーション、料金が中国の国内料金か、国際料金か、単なる不足の転送か、制度として有ったのか、私の知識ではクリア出来ず、東京の下見会で、多分最も詳しいであろう、二十一男先生とCPSJさんに聞いたけれども、はっきりした答えは無かった。多分実例も殆ど存在しないのでは。画像と記事を載せるのでどなたかご教授お願いします。オークションでの結果は、Lot169のカバーはエージェントとテレフォンが競り合って5500ポンド=130万円位でテレフォンの勝ち。Lot177の連合葉書は1300ポンド、多分エージェントが落としたと思う。32万円位なので、値段的には買えなくは無い、ただ差出の日付印がYOKOHAMA 12 DEC 96、貼り替えの洋銀の消印がSHANGHAI CUSTOMS がFEB 17 1897、PEKINGが 8 MARCH 1897。中国暦でなく、西暦なのでこの日付のタイムラグがどうにもクリア出来ずにビッドせず。作り物的な嫌らしさは全くないけど、戦争の取扱停止でも、河川凍結遅延の裏付けも取れず、ギャンブル出来ずに諦めたのです。
今貰ったばかりの、超最新情報です。昨日の午後行われた、HEINRICH KOEHLER のフロアセールの結果です。Lot 3763A 洋桜20銭、1銭貼独宛 1875 FEB 20 HIOGO(外郵第2便)が、EUR.23000 約430万、Lot 3774 坂東ラーゲル2完シート EUR.58000 邦貨で1000万超え、私もかなり強い預かり札でビッドしたものの、掠りもしません。落札者は共に、全く見知らぬ人ではないのですが、日本国内のオークションではちょっとここまでは頑張ってはくれてないのが寂しい気もします。オークションはタイミングで随分と値段が違うし、2人いればどこまでも競りあがるのです。
「CAVENDISH AUCTION」
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今回のフロアオークションを終らせて、メールの締めも人任せで、組合の年2回の交換会も参加せず、台湾のアジア展も完全にパスして火曜日の朝から金曜日までイギリスのDERBYに行ってきました。ISJPのセクレタリーがE-メールで情報を流していたのですが、オークションハウス自体は地味目なので、カタログを持っている人は少なかったはずです。私のほうは20年来の付き合いで、菊8銭・15銭の銘付田型とか、ストックブックの頁一杯の新毛コイルの使用済とかを買ったことが有りました。銀行の送金先にも登録が有るので、結構な金額を買った経験が有るはずです。
何時ものペースで、海外から数件の情報、行くの・行けよ・降りてよ・・・のオファーが3ヶ月前から来てました。主体は、リヴァプールに住んでいる、E.J.WOODさんの郵便史のコレクション、2004年のJAPEXに「JAPANESE POST OFFICES ABROAD」で出品してLS(大銀賞)になった物の全部+αの内容でした。あの時に目に焼きついていたのが、台湾の最初の欧文印のFORMOSAカバー、長春に変更になる前の寛城子の欧文印=KWANG CHEN TZUの中継印、まさかこれほど早くオークションでお目にかかれるとは思っても見ませんでした。純粋のJAPANばかりではないのですが、写真版に出ている単品、写真なしのボタのロットにNEMUROとか、日本航路のフランス船内印がカバー・葉書で7点、切手で25点が1ロット、この内容なら兎も角行くしかないのです。このオークションハウスの場合、JAPANやアジアが主体でないし、ロンドンから3時間ぐらいの距離にあり、気軽に参加するには抵抗が有るはずなので、行って下見して場に出ればかなりの確率で買えるはずと読みました。たまりにたまったノースウエストのマイリッジがあるし、永久有効とは言う物の、会社が何時まで続くか判らないので、この機会に12万マイルを使いました。普通ならKLMですが今回は取れずにエアフラです。関空からのヨーロッパの場合はどのエアラインでも一緒です。夕方に着いて翌日移動、直ぐ下見会場に行きましたが、危惧していたアジア系の顔はなく、現地の日本切手研究会の数人と、CHAINA PHILATELYのおじさん位しか場で競りそうな人はいませんでした。最近の日本物が出るアメリカ・香港のセールの場合、日本切手のディーラーよりも、E-BAY出品狙いの中国系のブローカーが矢鱈と強いのです。
今回のセールではその類は皆無、場の競争者も影響はゼロ、だから、あとは世界中のカバーを扱うディーラーが何人下見して札を預けているかと、ISJPからの情報を得た日本人がWEBで見て、メールで入れて来たかが問題になるだけです。場が開けば直ぐに様子は知れます。エージェントの落とす品物とパドル番号で上から下まで入れているのが一人、でもセンスは目茶目茶。それに明らかに数字はFIXなので競る相手としての凄みは有りません。日本からのメールは数は来たかも知れないけど、本当に強いのは1人だけ。
Lot 448 旧小判3銭・5銭・10銭・U小判2銭貼の書留英宛 小型花型+20ミリTOKIO 8角横浜書留、差出の引受が東京/牛込下宮北町郵便受取所、もしかしたら現品は未確認かも知れません。参考値は240ポンド=6万円、ゼロを付けた程度で収めたかったけど、かなりオーバーしてしまいました。こちらは目を瞑れば誰かの上で落とし切れるのですが、下見なしで、メールで値段もその数字で買う覚悟で入れた人、立派なビッドだと思います。勢いで落とした値段は、商売的には鞘を乗せられるものではないけれど、「5月の広島」で壁に飾ることとしましょうか。考えられない使用例ですが誰が評価してくれるのでしょうか。
Lot 183 U小判3種他計20銭貼書留 ANPING JAPAN 俗に言うFORMOSAは、参考値の丁度10倍で落ちました。1銭の1枚もカットでなく、裏に貼り付きなので随分立派なカバーです。今までに2通ほど扱ったのですが、「台北スタンプ」さんには随分馬鹿にされました。台湾の日帝郵便史のコレクションで金賞を得るには、これと混第一の2タイプが絶対に要る、ガチガチの客がいるので、●●●万で買うとのオファーを貰ってました。難を言えば、先方はFORMOSAの印影が要るので、葉書でも新小判10銭でも、TAMSUIでもTAKAOでも良いのです。今度のプレミア付のものでも値段は全く同じです。それでも、聞いてる値段が日本での評価よりはるかに高いので、このカバー1通で十分に経費と日当が出るでしょう。
Lot463 菊封皮に日韓合同他加貼福州宛 丸一殷山消、ドイツの非常に熱心な友人に降りてくれと頼まれてました。それでも良かったのですが、たまたまぼかした話をした数人の内、2004年のJAPEXのイギリス人の作品・・・という括りで、何の情報もなく、このマテリアルを言い当てた人がいたのです。記念切手の専門家で、日韓合同の韓中の郵便使用を評価してました。およその値段を聞いたら、私のそれとピッタリ一致、ドイツの彼の数字は聞いてないけど、多分ピッタリ1000ポンド、この場合、一声に掛けて1100までに切ってビッドを決めました。それ以上で来るのなら脱帽、でもきっちり勝つのです。・・・・・続く。